はじめに

 

06.02.21


“詳細編”の注意点


1.解説で取り上げている水草水槽の種類

 このコーナーでは、水草水槽の設置と維持について可能な限り具体的かつ実践的に解説してみたいと思っています。

  しかし、一口に「水草水槽」と言っても、その設備や維持方法は水槽の維持者(キーパー)によって様々です。キーパーの数だけ方法論がある、と言っても過言ではないでしょう。

 そこでこのコーナーでは、ふだん私が実践している方法論の中から、他の方の参考になるであろうと思われるものを1つ(=調和水槽)採り上げて解説しています。「このコーナーを読めばどんな水草水槽でも作れるようになる」というわけではない点に注意してください。

  ただ、一般的な水草水槽の方法論も、基礎知識として重要です。したがって、このコーナー以外からも情報を集めることをお勧めします。一般的な水草水槽の方法論については様々なサイトや本で情報が提供されているので、情報の入手は容易だと思います。このサイトでもこのコーナー以外は主として一般的な水草水槽の情報を扱っているので参考にしてみてください。

※ 私はふだん、水草水槽は様々なタイプのものを作って楽しんでいます。“いろいろ作って”、“いろいろ比べる”ということに特に興味をそそられるからです。『卓上アクアリウム』や『プラケリウム』、『ネイチャーアクアリウム』、『アクアート』、など色々作ります。『調和水槽』はその中の1つです。


2.解説している範囲

 気をつけていただきたいことの2つめは、「このコーナー(サイト)だけで水草水槽の維持に必要な情報のすべてを得ることはできない」という点です。必ず市販の本を入手し、その上で併せて読んでください。ここの情報の量では、市販の本に足りないところを補う程度にしかならないはずです。
 もし、「必要な情報は全部インターネットで揃えよう」と思っている方がおられたら、おそらくそれは無理です。あきらめた方が賢明です。水草水槽の維持に必要とされる情報の量は、少なく見積もっても分厚い本で3冊分はあります。現在、インターネット上にたくさんのアクアリウムサイトがありますが、その多くが「初心者用」とされていて、情報は魚と水草の育成の基本中の基本の分野に集中しています。逆に言えば、それ以外の情報はほとんど公開されていません。

 少し詳しく説明しますと、水草水槽はきちんと設置し維持していこうとすれば少なくとも3つの分野の知識と技術が要求されます。1つめは、“熱帯魚の飼育の知識”、2つめは、“水草の育成の知識”、そして3つめが、“両者を同時に育てるための知識”です。
 これら3つのうち、このコーナーの解説の中心になっているのは、3つめの“両者を同時に育てるための知識”です。1つめと2つめについては、市販の本がたくさん出ているので、良さそうなものを購入して知識を仕入れてください。

 また、“両者を同時に育てるための知識”の中でも、ここで扱っているのは“入門レベル”と“中級レベル”の情報が中心です。仮に上級レベルの話しを扱おうとすれば、話しの前提だけで分厚い本で何冊にもなるような情報を載せなければなりません。たとえば水草水槽に適した肥料について突っ込んだ話しをしようとすれば、土壌学や肥料学、それに微生物や植物生理に関わる説明までしなければならないでしょう。また、第一、そこまで解説してしまっては、多くの方の“知的好奇心からくる探求”を妨害してしまいかねません。

 よって、このコーナーで提供しているのは、“魚と水草の両方を同時に育てるための知識”の“入門・中級レベル”の情報だけになっています。この点もご承知おきください。


3.様々な方法論について

 上述の通り、このコーナーでは『調和水槽』という独自の方法論を中心に水草水槽を解説しています。しかし水草水槽の方法論は、一つしか正解が無いわけではありません。2通り、3通りの正解がある事柄や※1、逆に「ほとんどの方が実行しているけれど明らかに変」というような事柄もあります※2
 したがって、必要があると認められる部分では一般的な水草水槽の方法論についても併記してあります。加えて、少数派の方法論についても可能な限り触れるようにしてあります。

 また、意見が対立している事柄については、各意見を客観的に書くように心がけています。しかし“解説”という性質上、完全に主観を排除することはできません。したがって、情報を集めるときにいつも心がけるべきこと=すなわち「この人はこういう意見なのだな」という視点を、このコーナーの解説を読む場合にも忘れないでください。

○正しい読み方 : 「なるほど。でも他にも正解はあるかもしれないから他の情報も集めてみよう」
×誤った読み方 : 「すいらく様に身も心も捧げます。あぁもう、どうにでもしてぇ〜ぇんっ」

※1 : たとえば、底床材と元肥の選び方です。底床材は設置後の維持方法をどうするかによって最善の製品がどれであるかは変わってきます。そしてそれに合う元肥も異なってくるものです。

※2 : アクアリウムの趣味の世界では、間違った情報をほとんどの人が「正しい」と信じてしまっていることが珍しくありません。例を挙げると、たとえば“液肥の選択”です。以前は「園芸用のものは水槽では使えない」と専門書で書かれていたこともあって、『ハイポネックス』など園芸用のものが水槽に使われることはほとんどありませんでした。しかし実際は、多くのものが使用可能です。つまり、間違った情報が広く支持されていた、ということです。
 この他にも“パイロットフィッシュ”の役割や、水草水槽に本当に適しているコケ取り用エビの種類についての情報など、おかしな情報が残念ながら今もたくさん存在しています。


4.このコーナーの構成

 このコーナーは、幹となる「メインページ」と、枝となる「トピックページ」の2つで構成されています。

○ 「メインページ」には主要な事柄だけが書かれていて、それだけを辿っていっても水草水槽の概略がつかめるようにしてあります。それぞれの「メインページ」の下部には“NEXT”の文字が置いてあり、そこをクリックすると次の「メインページ」へ進めます。1つ前の「メインページ」に戻るときは“BACK”をクリックしてください。なお、“BACK”は、他のコーナーや検索エンジンなどから直接飛んできたときそのページに戻るためにも使えます。
  「メインページの」同じく下部にある“HOME”は、このサイトの入り口に戻りたいときに使ってください。“INDEX”は『知識と実践の壷』の目次(2階層目)へ戻るときのためのものです。

○ 「トピックページ」では、「メインページ」に出てくる事柄で特に解説が必要だと思われるものをいくつかピックアップして詳しく説明しています。「メインページ」の文の下線部分をクリックしてご覧ください。読み終えて「メインページ」に戻る際は、下部にある“BACK”をクリックしてください。

○ 他のサイトへのリンクは、原則、別ウインドウで開くようにしてあります。



HOME INDEX   BACK NEXT


□□□ このページでリンクしている「トピックページ」の一覧 □□□

水草水槽 『調和水槽』 “一般的な水草水槽”とは 3つの分野の知識と技術