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 : 水槽上部のセンターフランジが邪魔なので取りたいのですが、取っても大丈夫でしょうか

 ニッソーのスティングレー水槽(90センチ)に、蛍光灯32Wを5本載せて使用中ですが、水槽の真ん中に入っている補強バーのせいでその付近だけが暗くなっていて気になります。そこで補強バーを取ってしまいたいのですが、取ってしまっても大丈夫でしょうか。自作で透明な板に替えることはできますか。



 : 取るのは危険です。改造もお勧めしません。

 水槽の中の水がガラス板(アクリル板)にかける力は水量が多くなるほど急速に大きくなります。しかしそれに耐えられるほどの板を使うとなると、そうとう分厚い板が必要になって、今度はコストと透明度の問題が出てきます。また接合部の強度と水槽の歪みの問題も出てきます。したがって、現実的な対策としてよく用いられているのが、板厚を若干厚くするのと同時に、上部に取り付けられるセンターフランジという補強部材です。水槽の上部に前面と背面を橋渡しするような形で取り付けられ、水槽の膨らみや歪みを抑える働きをしています。すなわち、センターフランジ(補強のためのバー)は、念のために取り付けられている以上のもので、水槽の“構造の一部”と言えるものです。取り外せばその直後は大丈夫でも、徐々に水槽の各部に歪みが広がり、ある日突然水槽が崩壊しても不思議ではありません。
 ご質問では「補強バーのせいでその付近だけが暗くなっている」とおっしゃっています。しかし、メタルハライドランプ等とは違い、照明が蛍光灯の場合、光の性質上、光がフランジの下側に回折するので気になるような影はできないはずです。特にスティングレーの90は深さがありますからさらに目立たない構造のはずです。もしかして、水草の配置などによってそう見えているだけ、ということはないでしょうか。よくそういうことがあるので、ぜひ再確認してみて下さい。どうしても気になる場合は、素直にセンターフランジがついていない水槽に買い換えるのが良いと思います。センターフランジがついていない水槽には、ガラスの厚さやその接合方法などに必要応じた工夫がされています。
 フランジ自体は、もちろん自分で作ることができるでしょう。透明なアクリル板を使えば影になりにくいフランジが作れるはずです。しかし、センターフランジを接続する部分は過酷な環境に曝されます。照明器具の点灯・消灯によって毎日激しい熱の高低が起きますし、また水槽の湿度による伸縮も頻繁に起きる場所です。したがって、プロが製作した水槽でもその接合にはよく問題が起こるものです。したがって、素人によるセンターフランジの自作はまったくお勧めできません。今のままで我慢するか、新しい水槽に買い換えるか、どちらかが良いと思います。


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