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 : 大磯砂など海産砂のカルシウムをクエン酸で取り除く場合の手順を教えてください。

 アパートなので匂いの強い食酢で酸処理するのは避けたいと思っています。クエン酸ならば匂いが気にならないと思うのですが、クエン酸は使えないのでしょうか。使えるのならば、どのように使えば良いのでしょうか。使い方を教えてください。(クエン酸は近所のドラッグストアで買ってきました)


 : クエン酸でも酸処理は可能です。


 クエン酸は食酢のようにどこでも売っているものではなかったため、積極的に薦めにくかったのですが(今でもうちの近所では売っていません)、最近は、健康ブームの影響か、常備している薬店が徐々に増えてきました。また、通販でもたくさん売られるようになり、入手しやすくなりました。入手のし易さの点がクリアされれば、クエン酸は取り扱いがしやすく安全で使いやすい酸だと思います。

1.準備をする
○大磯砂など海産の砂 :60センチ水槽に2mmぐらいの粒のものを5cmほどの厚みに敷くのに15Kg程度必要。
○クエン酸 :工業用のきわめて安価なものもあるが、一般的には500g入りのボトルが800〜1600円程度。15kgの砂利を処理するなら500g程度を用意。
○容器 :砂利が15Kgだと9リットルぐらいになるので、できれば容量10リットルのバケツを2つ(攪拌しやすい)。無ければ1つのバケツで。
○ざる :安物で良いので砂粒がこぼれない目の細かいものを用意。反応してできるクエン酸カルシウムの沈殿物をすすぎ取るときに便利。
○pH測定器 :クエン酸の量(酸の量)が足りているか確認するのに必要。

2.容器に入れる
  クエン酸は一気に全部使うのではなく、7〜8割りの分量を最初に使い、pHを測って、足りないようであれば加えていく、というようにすると無駄がありません。また、最終的に酸性に傾け過ぎているとすすぎ時に排水を心配しなくてはいけなくなりますから、様子を見ながら徐々に加えていく方が良いと思います。。
 クエン酸はたいてい粒状の粉末なので、別容器に少量の水で溶かしておくと使いやすいはずです。
  バケツに砂利を入れたら、溶かしたクエン酸と水を砂利が浸かるぐらいまで注ぎます。注いだら、クエン酸が全体に回るように大きく混ぜておきます。

3.撹拌しながら浸けておく
 上記のクエン酸の量は少し余裕をみてあるので、あまり頻繁に混ぜる必要はありません。数時間に一度混ぜれば足りるはずです。混ぜる際は、米を強く研ぐ感じでガシガシとこすり合わせるようにした方が良いでしょう(適当に混ぜるだけでもOK)。この作業によって、もろくなった欠片が砕け、より溶けやすくなります。
 丸一日浸け置いたら、pH計で液を調べます。
 pHが酸性側に傾いたままになっていたら、処理は終わりです。中性以上になっていたら酸が足りないということです。酸を足して撹拌し、さらに浸け置くことを繰り返します。

4.砂をよくすすいで完成
 使い終わった液はあまり大量でなければそのまま流してしまって大丈夫です。カルシウムと反応してそれほど酸性に傾いていないはずです(傾いていたら、それは酸の入れ過ぎ)。
 砂の方は、水でよくすすぎます。白い粉のような沈殿物がたくさんあるようなら、ざるを使ってすすぐと手早く除去できます。
 クエン酸がもし砂に少量残ってしまっても魚や水草は平気ですからあまり神経質になる必要はありません。
 砂についた汚れは、酸処理の途中で何度もかき混ぜるので大部分がすでに落ちているはずです。しかし、病原菌や寄生虫の侵入を絶対に防ぐ必要があるときは(魚の繁殖用など)、酸処理のあとに台所用漂白剤で消毒する処理を行った方が良いでしょう。ただし、漂白剤を使うとすすぎを徹底的に行わないといけなくなり面倒です。私は、白い沈殿物(主にクエン酸カルシウム)さえ取り除ければ、適当にすすいでそのまま使っています。また、水草水槽に使うだけなのでそれで今までに何か問題が起きた、ということはありません。


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