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 : 赤玉土やセラミック製の底床材は、1年くらいで新しいものと交換する必要がありますか

 今度新しく立ち上げる水槽を水草水槽にしようと思っています。上部濾過式+2灯蛍光灯なのですが、底床材は赤玉土を考えております。そこで質問ですが、やはり土でできているのですから1年位で新しくしなければならないのでしょうか。多孔質のセラミックの粒のような底床材を見つけましたが、こういった物なら長期間連続使用が可能でしょうか?アドバイスよろしくお願いします。


 : 交換の要否は、赤玉土にどんな作用を期待して用いるかで異なってきます。また使用可能な期間の長さはその地域の水の性質や水槽の維持方法などによって異なってきます。

  こういう疑問は、水草水槽にソイルや赤玉土を使う理由から考えてみれば、自ずと答えを得られます。
  ソイルや赤玉土を使う理由は、土の団粒構造がもつ陽イオン交換作用で水中の硬度物質が土に吸着されるからです。硬度物質が減れば水のpHと硬度が下がります。すると南米産など弱酸性の水を好む水草が育てやすくなります。もちろんソイルや赤玉土には保肥作用や粘りのしやすさといった利点もありますが、一番の利点はやはり硬度物質の吸着でしょう。
  したがって、硬度物質が団粒構造に満杯に吸着されてしまったら、もう水のpHを下げる作用はありません。pHを下げることを期待して使っていたのなら、交換するしかないでしょう。そして、団粒構造がどのくらいの期間で満杯になるかは、その地域の水道水に入っている硬度物質の量や水槽に入れている石の量や種類、崩れるようなことをどのくらいするか(水草の抜き差しや底床掃除)などで変わってきますよね。ですから交換までの期間を予想することは、その水槽のキーパー自身にしかできません。短ければ数ヶ月で満杯になったり崩れきってしまう場合もあるでしょうし、数年使っていらっしゃる方も現実にいらっしゃいます。
  また他方、水草や魚が弱酸性でなくても育つもので、水を弱酸性に保つ必要のない水槽であるなら、そもそも硬度物質が吸着される必要自体がありませんから、よほどのことが無い限り交換の必要性が無いでしょう。つまり崩れて手に負えなくなるまで使い続けることも可能、ということになろうかと思います。ただ、それならば、始めから崩れにくい底床材を使えば済むようにも思います。
 多孔質のセラミック製底床材についてですが、上述の点がありますから、それが硬度物質の吸着効果を持っているかどうかが判断の分かれ目になります。持っていないのならば半永久的に使い続けられるでしょうし、持っていて、かつ、その効果を期待して使用するのならば、その効果が衰えてきたときが交換時期となります。注意しないといけないのは、セラミック製の濾材の場合、硬度物質を満杯まで吸着したものをそのまま使い続けていると今度は今までに吸着したものを逆に放出し始めることがある点です。


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