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 : イシマキ貝がすぐに死んでしまいます

  ショップで「水草水槽のコケ取りに良い」と勧められ何度か石巻貝を水槽に入れたのですが、ほとんどが長生きできずに死んでしまいます。10匹のうち1匹ぐらいは死なずにいるのですがそれも2、3ヶ月もつぐらいです。貝殻の表面が白っぽくなり凹凸ができていて健康そうではありません。石巻貝は水草水槽に向かないのでしょうか。


 : 現在の水草水槽の主流である弱酸性の水槽には向かないと思います。

  自分で採取に出かければ分かるのですが、イシマキ貝はほとんど海水に近い汽水の場所から完全な淡水の場所まであちこちに分布しています。そして、海水に近い場所から採ってきた個体は淡水に入れるとうまく適応できないのか、すぐに死んでしまうことがよくあります。その点、完全な淡水域にいたものは水槽に入れても割りによく適応してくれるように思います。しかし、ショップで売られている個体が海水に近いところで採取されてきた個体なのか淡水域から採取されてきたものなのかは、なかなか判断できませんよね。店員さんに聞いてみても店員さんも採取地までは把握していないでしょう。実際のところ、イシマキ貝はあちこちで採取されていて淡水・汽水のどちらのものも入荷しているようで、それらが区別して取り扱われることはないのが通常です。したがって、ショップで購入してくる場合は「運」に左右されることになります。ただ、ショップでは淡水の水槽にストックされていることがほとんどなので、その水槽の底をよく観察すればある程度は判断できるはずです。海水域から採られてきた個体群の場合は水槽の底にたくさん死んだ個体が転がっていたりしますから。
  さらに、お手元の水槽の水質にも注意が必要です。昔は水槽の底砂として貝殻をある程度含む海産の砂をよく用いていました。そのような水槽では水に貝殻のカルシウム分が溶け込み、水質が弱アルカリ性の弱硬水(高KH&高pH)になっていました。したがって、水質が石巻貝の飼育の大きな問題にはなりにくく、水槽のコケ取り役としてイシマキ貝は良い働き手だったと言えます。そういう事情があるために今もイシマキ貝がコケ取り用として売られているのだと私は解釈しています。しかし、最近の水草水槽の主流は南米産の生体向けに水質を弱酸性&低硬度(低pH&低硬度)に保つ水槽ですよね。このような水槽にはカルシウム分が少ないので石巻貝のような貝は適していません。貝殻の形成不全を起こしたり、すぐに死んでしまったりします。
  よって、ご質問の水槽が南米産の生体用にセットされたものであれば、石巻貝ではなく他の種類のスネールの導入を検討される方が私は良いと思います。


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