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 : イシマキ貝がもし死んだらすぐに取り出さないとダメなんでしょうか

  水草のコケ対策用として水槽にイシマキ貝とかカノコ貝を入れたいのですが、「イシマキ貝は死んだらすぐに殻を取り出さないと水の硬度が急上昇する」という話しも聞きます。実際のところ、どうなのでしょうか。


 : 出した方が良いですがあまり神経質になる必要はないでしょう。

  実際のところ、よほど少ない水量に大量の貝殻が無い限り急上昇することはありません。
  水槽の中に持ち込まれるカルシウム分は、レイアウトに持ち込まれる石などから溶出するものが深刻ですが、それ以外は餌、肥料、換水の3つぐらいしか持ち込まれる原因がありません。そしてこれらはソイルに吸着されたり換水で水槽外に排出されるなどして水の中にあまり存在しないのが、一般的な軟水の水草水槽の状況です。もし水槽の水中にカルシウム分がたくさん蓄えられているとすると、現在最も流通量の多い南米原産の水草が育ちません。それでは困るため、現実は、多くのアクアリストが水草水槽の水をカルシウム分の少ない状態で保っているはずです。
  仮にこのような水槽に、カルシウム分の塊のような貝を外から持ち込むと、確かに、死んだときにカルシウム分が大量に溶出しそうに思えます。
  しかし、実際にはそれほど激しい変化は起きません。
  その理由を推測すると、1つは、そのカルシウム分が水槽の中の酸性物質と結合してしまっているのかもしれません。また、水槽全体のカルシウムの量と比べると貝1つぐらいのカルシウム量は大したことのない量だ、ということも理由の1つでしょう。さらに、水槽の中では貝殻はそれほど急速に溶けるのではなくゆっくりゆっくり溶けます。その間には、換水で水槽の中の水がある程度入れ替わるはずです。すなわち溶けたカルシウムの一部は換水によって水槽の外へ出されてしまいます。これも理由の1つだと考えられます。
  よって、死んだときのカルシウム分の溶出は、カルシウム分が水槽に持ち込まれた以上気にしないで良いわけではありませんが、それほど深刻に考える必要もないでしょう。
  それよりも、私はもっと根本的なところが気になります。イシマキ貝は水質がアルカリ側に傾いていないと長生きできないことがほとんどです(例外もありますが)。したがって、キープしておられる水槽がアルカリ側に傾けて維持されていないのであれば、そもそもイシマキ貝やカノコ貝をコケ対策として用いることに私は賛成できません。弱酸性で維持されているのであれば、ラムズホーンなどの方が良いと思います。


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