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 : ミナミヌマエビの水槽の水温をヒーターで一定に保ったら卵を産まなくなってしまいました

  今まで庭のバケツでミナミヌマエビを飼っていました。このたび熱帯魚を飼い始めたのに合わせてミナミヌマエビを水槽に入れてヒーターをつけてやったのですが、だんだん卵を産まなくなり、最近はほとんど抱卵個体を見かけなくなってしまいました。「水槽の中では水温が一定なので一年中いつでも産む」という話しも見聞きしていたので今の状態は不安です。私が変なことをしてしまったのでしょうか。 


 : 何か悪影響を与えることをしてしまった可能性はありますが、ちゃんと飼っていてもそういう時期はあるものです。

 実物を観察したり詳しい状況をお聞きしないと正確な判断はできませんが、もちろん、飼育の方法に何か悪い点があった可能性はあります。たとえば、ヒーターの設置時に急に温度を上げてしまったとか、水合わせが乱暴だったとか、濾過バクテリアを大量に失ってしまったとかいった問題です。また新しい水槽の環境が良くない可能性もあります。同居の魚に常に狙われていて安心して卵を産めるような状況にないとか、昼間水槽に直射日光が強烈に差し込んでいて水温も上がっている、とかいった問題です。こういった問題が一つでもあれば、当然卵を産まなくなることもあり得ます。
 また、こういった問題が一切無く、きちんと飼っている場合でも、卵を産まなくなることはあります。
 ご存知のように、ミナミヌマエビは自然下だと春や秋に一斉に抱卵することがあります。それが、水温や光の条件などが一定になる水槽で飼うと、崩れてしまいます。一年中どの個体かがいつも抱卵していますし、雌がみな一斉に抱卵するようなこともあまり観察されなくなります。したがって、「一年中いつでも産んでいる」という印象を受けるはずです。
 しかし、よく観察していると、一年中条件が一定に保たれている水槽の中であっても、自然の影響は受けているようで、自然下で一斉に卵を産む時期には水槽の中でも産卵が多く見られます。逆に産むのが少ない時期にはやはり水槽の中でも産卵が減るようです。つまり、水槽ではヒーターなどで条件は一定になるためいつでも産卵する個体が見られるが自然の影響も少なからず受けている、ということだと思います。
 よって、水槽の中でも産卵の数が減る時期が周期的にきても不思議ではないでしょう。その周期にあたればご質問のように抱卵個体を見かけることが無いという状態もあるでしょう。実際、私のうちでもそのような状態が続くことはときどきあります。しかし気にせずそのままに維持していればまた一斉に抱卵しています。
  あまり心配は要らないのではないでしょうか。


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