HPを別窓で開く
 

 : ナショナルの『パルック』の中ではどれが一番光合成に向いていますか

  「水草水槽の蛍光灯はナショナルの『パルック』でいける」と聞いたのですが、ホ−ムセンタ−などに行くとパルックdayやパルックCoolなど色々な種類があり迷ってしまいます。一番、光合成に適しているのは、どのタイプか教えて下さい。
 


 : よく分かりません。ただ、経験上はどれも大差ありません。また、水草水槽の維持においてそれを気にすることにあまり意味があるとは思えません。メーカーの種類も含めて“好きな見え方のもの”を選べば良いのではないでしょうか。

 『パルック』の種類と光合成の量はあまり関係が無いと思います。実際、どれを使っても同じような感じです。
 鑑賞面から言えば、水槽に蛍光灯を使う場合、ランプの色温度(K:ケルビン)が高いもの(=白っぽい光)を使うと、水草が鮮やかで美しく見える反面、魚は色が褪せた感じに見えてしまいます。逆に色温度が低いもの(=黄色っぽい光)を使うと魚の色が綺麗に見える反面、水草が黄色っぽく不健康なように見えてしまいます。すなわち、どちらも一長一短です。これは『パルック』だけでなく、どの蛍光ランプにも共通して言えることです。
 ですから、水槽に使う場合は複数を組み合わせてバランスをとることになりますが、そのバランスは目で見て決めるのですから、結局は自分の“見た感じ”の好き嫌いで決めることになります。そして、この点は、極端なことをしない限り自分の好き嫌いで決めてしまって、育成上ぜんぜん問題ありません。水草の生長や光合成の量には、蛍光ランプの種類よりも水温や栄養バランスやCO2量などの方がずっと大きな影響を与えるので、ランプの種類にこだわってもあまり意味が無いのです。仮に、徹底的に種類にこだわって水草の生長を最大限に引き出すことに成功しても、“水草が伸びまくるのでしょっちゅう剪定が必要で、いつも剪定後のハゲちょろびんの水景か伸びまくって薄暗くなった水景ばかり見なければならない鑑賞よりも手入れに追われるめんどうな水槽”が出来上がるだけです。ですから、蛍光ランプは必要な光量(W数)さえ確保できていれば種類は“好み”で決めて構わない、という理解でOKです。
  さて、ご質問にある『パルック』ですが、『パルック Natural』は午前中の日光に近い色(昼白色)で、水槽では少し黄色く見えるランプです(魚は綺麗・水草黄色い)。一方『Cool』は晴れた日の午後の日光のようなやや白っぽい光(昼光色)のランプです(水草が綺麗・魚の色はイマイチ)。これを踏まえて選んで下さい。 
  ※参照:ナショナル 『パルック』
 ちなみに、『パルック Day』はCoolの旧型製品です。Coolよりも少しだけ黄色がかっていますがほぼ同じ色合いです。水槽に使う分には、単純に「『Day』が『Cool』にモデルチェンジした」と考えて良いでしょう。型落ちで安くなっているなら『Day』が“買い”だと思います。
 ところで、初心者の方ならば何も分からない状態で「好みで決めて大丈夫」と言われても、選ぶのに不安をおぼえることでしょう。よって私の好みを例に挙げておきますね。参考にして下さい。ためしにこれでやってみて「もっと白っぽい方が良い」、「もっと黄色っぽい方が落ち着く」と感じたならばランプの交換の時期が来たときに、別のランプと替えて調整していけば良いでしょう。もちろん次の例は、魚と水草の両方が綺麗に見える妥協点を探るように組み合わせてあります。
<組み合わせの例>
 60センチ水槽の場合、20W型(18W)4本を、
手前から順に
●「ニッソー PG-II」―「ニッソー PG―III(あるいはV)」―「ニッソー PG-II」―「ニッソー PG―III(あるいはV)」●「ニッソー PG-II」―「昼白色」―「昼光色」―「昼白色」
●「昼光色」―「昼白色」―「昼光色」―「昼白色」

※  蛍光ランプの種類には「高演色形」や「普通形」などいろいろありますが、水草水槽で最もよく使われているのは「3波長形(3波長集中発光形)」です。その「3波長形」の中にも「昼白色」や「温白色」などいく種類かがあり、その中で水草水槽のキーパーによく用いられるのが「昼白色」と「昼光色」です。具体的な製品としては、ナショナルの『パルック』シリーズの他に、日立の『ハイルミック(あかりん棒)』シリーズや、東芝の『メロウ』シリーズなどがあります。「ここのメーカーのものが飛び抜けて良い」ということは無いようですが、経験上、“寿命の長さ”で、私はパルックをよく使っています。ただし、他のメーカーのものでも安売りしていれば躊躇無くそれを買っています。

※「昼白色」と「昼光色」。字を見ると前者の方が白っぽいように思えますが、実際は「昼光色」の方が白っぽい光です。これ、みなよく間違えるので買いに行くときには気をつけて下さい。


BACK