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 : 換水をしてもpHの降下が止まりません

 順調で問題も無かった水槽で魚がポツポツ死に始めたのですが、pHをはじめて測ってみたら4.5(!)でした。酸性になり過ぎていると思ってすぐに3分の1の水を換えたのですが、次の日には元の4.5に戻っていました。そこでまた換水したのですが(直後は5.5ぐらい)、次の日にはまた4.7ぐらいまで下がっていました。水槽の中にはピートやソイルは入れていませんし、二酸化炭素も入れていません。何が悪いのでしょうか。 


 : 濾材や底床に溜まっている汚れも徐々に掃除してみて下さい。

 詳しい状況が分からないので一般的なケースを念頭に考えますと、まず、今の水槽の中にpHを下げるものを入れていないのであれば、pHを下げている原因は底床や濾材に溜まっている汚れなどに起因する酸性物質だと思われます。ご存知だと思いますが、魚に与えた餌は、水槽の中のバクテリアのはたらきで、糞から→アンモニア→亜硝酸→硝酸と変化していきます。そして、この「硝酸」が水を酸性に傾ける元凶です。水草と魚の餌のバランスがとれている水槽や完全に落ち着いている水槽ならば、硝酸は分解されたり吸収されたりしてあまり問題にならないのですが、餌の量が多かったり立ち上げて間が無い水槽だったりすると、硝酸は水槽内に徐々に増えて水を酸性側に引っ張り続けます。そしてその状態が長く続くと、ご質問のような、換水してもなかなかpHが戻らない状態に陥ってしまいます。
 この点、硝酸が水の中だけに蓄積しているのであれば換水によってpHが戻るはずですが、実際はお書きのように換水だけではなかなか元に戻りません。しかし、同時に濾材や底床に溜まった汚れを掃除すれば改善されます。つまり、水を酸性側に引っ張っているのは水の中の硝酸だけでなく濾材や底床に溜まった汚れにも原因があることを示唆しています。そのしくみについて納得のいく解説をしている情報を見たことが無いので詳しいことは分かりませんが、濾材や底床に溜まっているものが関係しているのは間違いありません。
 したがって、換水と同時に、あるいは、できることならば3日以上間を空けて、底床と濾材も軽く掃除してみて下さい。
<手順>
 1.まず3分の1の換水を行う
   (そして3日以上空ける)
 2.濾材を汲み出した水槽水で軽くもみ洗いする
   (また3日以上空ける)
 3.『プロホース』などの底床クリーナーで底床を掃除する
 この手順で手当てすればほとんどの場合、pHの下降に歯止めがかかって元に戻るはずですが、それでもダメだった場合はもう一度1から繰り返してみましょう。
 ただし、いずれの手当ても“し過ぎ”に注意が必要です。し過ぎると必須のバクテリアを失ってしまったりpHの急変で生体を殺してしまったりします。くれぐれも慎重に行いましょう。
 ちなみに、通常の水草水槽では、pHが5.5を下回ると危険です。酸性側に弱い魚種が死に始めます。そうならないように、ふだんから時々pHを測り、下回ってからではなく、下回る前に換水などの手当てを施すように心がけましょう。また、水草や換水頻度と、与えている餌の量を照らし合わせ、餌を与え過ぎていないか・魚を詰め込み過ぎていないかを一度チェックしてみて下さい。


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