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 : 水を弱酸性にしたいのですが、ピートを使って下げるのはどう思われますか

  底床材としてセラミック砂を使っているのですが、pHが7.0以下に下がりません。発酵式のCO2添加をしています。薬品を使うのは良くないと聞いたので薬品を使わずにpHを下げたいのですが、ピートなどは入れても大丈夫でしょうか。


 : ピートには水の着色など、水草の生長の妨げになる要素が含まれています。あえてピートを使う必要が無いのであれば、ソイルなどを使う方が良いと思います。
 
  まず何より、「本当にpHを弱酸性に下げる必要があるのかどうか」をもう一度検討して下さい。弱酸性を好む水草や魚が元気なのであれば今のままで良いわけで、無理に下げる必要がありませんよね。下手に触るとかえって魚や水草にダメージを与えてしまいます。
 次に、今現在、実際に魚や水草に影響が出ていてその改善のためにpHを下げたいと思っておられる場合ですが、水質をいじる前に、「pHが本当に7.0を超えているのか」をチェックする必要があります。と言うのも、pHの測定液が古かったり測定の方法が間違っていたりして「実はpHは6以下だった」ということがよくあるからです。
 以上の2点をチェックした上で「本当にpHを下げる必要がある」となった場合は、
(1) まずはpHを上げている原因を探します。底床材はもちろん、蛇口から出ている元々の水のpHや、レイアウトに使っている石、濾材、“pHを安定させる”と謳って売られている錠剤、他にも底床肥料や添加剤など、すべてのものをチェックしてpHを押し上げている原因を見つけて下さい。必ず原因はあります。pHを上げている原因をそのままにしておいて下げる手当てはできません。そんなことは、車でアクセルを踏みながらブレーキを踏むような行為と同じで、水槽の中が安定しません。必ず見つけて取り除いて下さい。
  ちなみに、水道の水は、蛇口から出して何時間かするとpHが若干上がります。したがって水道水のpHを調べるときは1日以上水を混ぜておいてから測るようにしないといけません。
(2)原因を取り除いたら、今度はpHを下げる手当てをします。pHを下げるには、ピートも有効なのですが、水草水槽では使わない方が良いでしょう。ピートには水草の生長を鈍くする要素がありますから(成分や水の着色など)。セラ社などからは着色作用を抑えた粒状のピートなども出ていますので、そういっ製品であれば使ってみても良いとは思いますが、あえてピートを選ぶ必要が無いのであれば避けた方が無難でしょう。
  水槽にまだ生体を入れていない段階での話しでしたら、pHを下げる薬品を使うのもひとつの手だと思いますよ。薬品も使い方次第で便利なものです。ただし、リン酸を主成分にしていない製品を選んでください。コケの栄養分となってしまう可能性があるからです。
 他に使えるものとしては、ソイルや赤玉土、焼赤玉土などがあります。私がお薦めするのはこういったものです。イオン交換作用をもち、pHを上げる元凶である硬度物質を吸着してくれます。底床材として用いるか、目の細かいネットに入れて濾過槽に入れてもOKです。量はpHを測りながら決めていきます。効果が切れてきたら交換します。
  また、「ソフナイザー」とか「イオン交換樹脂」といった、硬度物質を吸着させる機能をもつ器具が販売されているので、そういったものを使う途もあります。
 いずれにしても、水槽に色々手を加えることでpHが乱高下するのだけは絶対に避けねばなりません。それで生体を弱らせてしまったのでは本末転倒ですよね。慎重に調整しましょう。


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