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 : 水草水槽での殺菌筒(灯)使用の是非

 水草水槽でグッピーを飼育しているのですが、カラムナリス菌を抑えるため、殺菌筒の購入を考えています。 しかし、水槽にはオトシンがいて殺菌筒を使うとコケが発生せず、餌がなくなりオトシンが死んでしまうのではという心配があります。どう思われますか。


 : 水草水槽に導入するのには賛成できません。

 殺菌筒(灯)の使用は水槽内の病原菌の増殖を抑えるのに効果が確かにあると思います。特に海水水槽に用いた場合は効果を実感します。水草水槽に流用した経験もありますが、特に藍藻の発生を抑えるのに効果があると感じました。しかし、「水草水槽に」使用することを総合的に考えた場合、私は殺菌筒の導入には消極的です。
  最大の理由は、適切に維持されている水草水槽には、それ自体に病原菌や藍藻などの増殖を抑える作用が見られるからです。買ってきたばかりの調子が落ちている魚を、熱帯魚だけの水槽に導入した場合と、調子の良い水草水槽に導入した場合とでは、明らかに後者の方の歩留まりが良くなります。またそういう水槽ではよほどのことが無い限り病気が蔓延したりしません。また、趣味に使うものとして売られている殺菌筒の中には、残念ながらほとんど効果が見られない製品があったりもします。したがって購入には下調べとそれなりの知識が必要になります。
  さらに、殺菌筒を着けた場合、水槽の中にいる生物のうち水槽のキーパーにとって都合の悪いものだけを殺してくれれば良いのですが、そうはいきません。水槽の生態系の一端を担っている生物にダメージを与えることが避けられないでしょう。もちろん殺菌筒を常設している水槽でもきちんと水草水槽は立ち上がるのですが、着けていない場合と比較すれば安定するまでの時間が余分にかかったり、立ち上がってからも安定性が悪かったり、といったことを実感します。
  よって、私は水草水槽に殺菌筒を導入する「必要性」を認めにくいですし、導入の「許容性」も低いと思います。コケの発生については、私は特に少なくなる効果を感じたことが無いのですが、「少なくなる」というレポートを読んだことがありますし、理屈でもそうなりそうに思います。したがって、オトシンのことを考えるならば、やはりこの点でも導入には賛成できません。


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