A : 正直に言って、その「ミズミミズがいる→だから水質が悪化する」という話しの流れは変ではないでしょうか。「ミズミミズの餌がたくさんある=水質が悪化している場合が多い→だから水質を点検した方が良い」という理解の方が現実に近いと思います。
よく観察すると分かりますが、実はアクアリウムの世界で“ミズミミズ”と呼ばれている生き物にはいくつかの種類があります。しかし、共通して言えるのは、魚に与える餌の量が微生物による分解の量よりも上回っているときによく大発生する、ということです。すなわち、水槽の中に未分解の物質が多くあるときに、それらを餌にして殖えるわけです。ですから、「ミズミミズが大量に発生している=水が悪化している可能性が高い」という図式が成り立ちます。つまり、「ミズミミズの大量発生は水質悪化の目印」と言える場合が多い、という知識につながります。
しかし、気をつけないといけないのは、「ミズミミズの大量発生→水質が悪化する」というわけではない、という点です。ミズミミズは未分解の魚の餌などを元に殖えるのですから、水質悪化の原因ではありません。逆に、分解を促進させ水質を浄化する役割を果たしてくれる生き物です。
たまに「ミズミミズが水質を悪化させる」と誤解し、薬剤でミズミミズを駆除しようとする方がいらっしゃいますが、そんなことをすれば、ミズミミズの大量死によってかえって水を悪くしてしまいます。水質悪化の可能性を知らせてくれる目印なのですから、無理に駆除する必要はありません。
もし水槽の中に大量に発生した場合は、ミズミミズを駆除しようとするのではなく、ミズミミズの発生の元になっているもの=すなわち未分解の魚の餌などをホースで吸い出すなどしてまず除去し、そして与える餌の量やフィルター設備など維持方法全体の改善を図るべきでしょう。
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