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 : 鉛のおもりは水槽に入れても大丈夫なのでしょうか

  このサイトのコンテンツに、水草を鉛の板おもりで束ねたりする記述が出てきますが、鉛は生体に影響を与えないのでしょうか。「鉛は猛毒だから入れてはいけない」と聞いたことがあるのですが。


 : 目で見てはっきり分かるような影響が出たことはありません。またそのような内容の信頼できるレポートを目にしたことがありません。その限りでは大丈夫だと言えるでしょう。しかし、目に見えない影響はきっとあると思います。代替品が使用できる場合は鉛は使わない方が良いと思います。
 
  当サイトのコンテンツは、断り(「〜だそうです」というような表現)をつけていない限り、「実際にやってみてどうだったか」を基本にしております。ですので、鉛のおもりについても、もちろん長期にわたって試した上で記述です。私のうちでは30年ぐらい前の投げ込み式フィルターの下部に入っていた鉛の塊をはじめとして、今まで水槽の中の色んな用途で釣り用の鉛を使ってきておりますが、 今までのところ、エビ、貝、魚、水草、動物性プランクトン、植物性プランクトンなど、水槽内のすべての生体について肉眼で確認できる問題は何も生じていません。グッピーやエビやオトシンなど累代繁殖させているものについても、影響が出たことは一度も無いです。
 しかし、鉛については、舐めただけでも人体に影響があるとも言われていますよね。また、釣り場での鳥類への害毒など、実際の被害も一般に報告されています。
 したがって、頭で考えるかぎり、私は鉛による影響は「何かしらきっとある」と思っております。現状については、「単に目で確認できるような影響が出ていないだけ」という話しだ、と思っています。
 ただ、このような問題の場合、それ自体の[有害性の有無]と[使用の是非]とは別の問題ですよね。たとえば「酸素は身体の酸化=すなわち老化を促進する有害な物質だ[有害性の有無]」ということを「だから酸素を吸ってはいけない[酸素の使用の是非]」ということに結びつけたら、それは変な話しです。よってこの2つは分けて考えないといけません。
 この点私は、前者の問題(有害性の問題)は上述のように「ある」と考えています。また後者の問題(使用の是非)を考える際は、「どのレベルまでの影響を許容するか、無視するか」という基準で考えることにしています。水槽の鉛の問題に直すと、「水草水槽を維持する上で問題にならないものは、メリットがデメリットを上回る限りで、そのデメリットを許容する」という基準を使っています(もちろんこの基準は、自分や家族の食べ物に関する問題を検討する際の基準とは別です。同じ基準ではあるはずがありません)。
  この基準をあてはめてみると、鉛の板は使用の手軽さや入手のしやすさ、作業のしやすさなどの「メリット」と、目に見えない影響を与え続けているかもしれない「デメリット」との比較となり、私は、「メリット」が「デメリット」を上回ると考えます。
  したがって、「使用は許容して良い」許容されうる、という結論を得ることになり、当サイトでは鉛の使用も記事の中に出てきている次第です。
  しかし、もちろんこれは“私の”基準でして、特にこの問題は別の基準・別の結論もあってしかるべきで、それぞれの方がご自分の判断に従うのが良いと思います。

※ 追加情報: 「ドジョウ(泥を食う食性)を飼っているとドジョウに奇形が出た」という情報をいただきました。同居の他の魚には影響が出なかったようなので、泥の中に鉛が蓄積した可能性も考えられます。したがって、「危ないものは極力避ける」という維持方針をとっておられる場合は、使うべきではないと思います。


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