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 : 人口飼料に慣れさせる方法を教えてください

  先日からアノマロクロミス トーマシーを飼い始めたのですが、ショップでずっと生餌ばかり与えられていたためか、人口餌料をまったく食べてくれません。食べるようにするにはどうすれば良いでしょうか。


 : 定番の方法がいくつかあります。また、状況に応じた工夫もいろいろできます。しかし、最終的には魚自身の“好き嫌い”にかかってきます。

  よく行われる方法の中から水草水槽で使えるものをいくつか下に書いておきます。参考にしてみて下さい。

1.生餌で十分に体力をつけさせたあと、2〜3日餌を絶って空腹にさせ、そこで人工餌を与えてみる。1度でだめでも何回かこのサイクルを繰り返しているうちに食うようになる

2.餌を与えるときに生餌と人工餌を同時に与える。最初はより分けて食っているが、そのうち人工餌の方も食うようになる。ダメなら1の方法と組み合わせてみる。人工餌に赤虫やハンバーグの汁を染み込ませて与えるといった工夫も組み合わせてみる

3.設備が許すならば同魚種の匹数を増やし、魚がみなで餌を取り合うような環境を作る。ゆっくり食べていると餌が自分のところに回ってこないような状況が続くと嫌いな人工餌でもはずみで食べてしまうことがある。いったん食べられることが分かると次から普通に食うようになる個体が多い

4.設備的に可能ならば、人工餌に慣れている個体を一緒に泳がせ、一緒に餌を与えるようにする。すると、それまで人工餌を食わなかった個体も、食う個体を見て一緒に食い始めることがある

5.魚を丁寧に扱えるならば、飼育水でふやかした餌を無理やり口の中に突っ込むという方法もある。いったん口の中に入って、それが「食えるものだ」と認識できれば、次から自発的に食いにくる固体もある。ただし乱暴な方法なので消化器を傷めてしまう危険高し

6.グッピーや小型のカラシンなど餌の奪い合いが激しい魚種と一緒に飼い、人工餌が食えるものだということを雰囲気で分からせるという方法が有効な場合もあり

7.食わせたい人工餌と牛ハツなどを混ぜてハンバーグを作り、それを与えて風味などに慣らせば、人工餌だけ与えても食うようになる可能性が高い

8.しばらく小さなベアタンクで飼育し、食べるものとしては人工餌しか目に入らない状況を作ってやれば、自然と食うようになる場合がある。ただし水質の悪化には細心の注意が必要

9.エアレーションやフィルターの水流を使って餌に動きを与えると、その動きに刺激されて食うようになる個体も多い。いったん食えると分かれば、以後は動いていなくても食うようになることもある

  これらの他にも工夫の余地がまだたくさんあるはずです。たとえば私の場合、“魚の嗜好性が高い餌”ということで匂いのきつい釣用の餌(サナギ粉など)と混ぜて与えたり、餌を落とし込んだ後にスポイトで水を吹き付けて餌を水中で躍らせて動きをつけてやる、といったようなこともしています。飼育しているご自分の環境に合わせてさらに色々工夫してみましょう。
  ただし、「それでも絶対に人工餌は食わない」という個体は必ずいます。魚も我々と同様“生き物”ですから、好き嫌いがあるのが当然で、「人工餌を食うぐらいなら死んだ方がマシ」という個体も少なくありません。
  よって、ある程度工夫をしてもダメなら、そこは潔くあきらめる方が良いと思います。いつまでも無理に食わせようとしていては魚の成長に悪い影響を与えかねませんから。また、ある程度成長した時点で突然人工餌を食うようになる個体もいるので、しばらく期間を空けてそれから改めて試す、というのも一つの有効な方法でしょう。


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