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 : 2つの濾過器のうち1つを外したら水の透明度が落ちてしまいました。濾過器を1つ上のグレードに買い換えれば解決できるでしょうか。

 アクアリウムをはじめる際に、「
初心者にはセット水槽が良い」ってことで、ニッソーの上部濾過器つきの60センチ水槽を買いました。
 そのうち、色々な水草を入れたくなり、そのためには外部濾過にして光量を増やす必要があることを知り「初心者にも安心」ということ、「適性サイズ」ということで、エーハイムの2233を購入しました。
 2週間ほど上部+外部濾過器で水はとても透明で綺麗な状態でした。その2週間後予定通り上部濾過を外すと明らかに水の透明度が落ち、今に至ります。従って、「あの透明度をもう一度」ということで一つ上のグレードの濾過装置を購入しようと考えました。
 グレードを上げれば単純に透明度は上がるのでしょうか?
 


 : 問題は濾過器の大きさではなく、濾材の状態にあると思われます。したがって、買い替えで解決できる可能性は低いでしょう。

  水質に対する濾過器の関係は、たとえば部屋を掃除するための掃除機のようなもので考えると分かりやすいと思います。
  部屋に掃除機をかけたけれど部屋のゴミが取れていなかった場合、まず、何を点検するでしょうか。大抵は掃除機の紙パックフィルターの目詰まりやフィルターの取り付け不良の点検をすると思います。「掃除機の能力が足りないのかも。もっと大きな掃除機を買って来ようかな」とは、あまり考えないはずです。
  水槽の濾過器も同じことです。綺麗に濾し取れない場合、疑うべきは、まず、濾材です。ご質問のケースでは、上部式濾過器を外した段階で水の透明度が落ちたということですから、外部式濾過器の濾材に問題があると思われます。たとえば、純正の濾材を外して別の濾材を入れたために細かな粒子が濾し取れなくなっているとか、微生物が十分に濾材に着かないうちに微生物がたくさん着いている上部濾過器の方の濾材を取り除いてしまったために濾材の微生物が不足しているとか(これが一番疑わしいのではないでしょうか)、そういった可能性を検討してみて下さい。本当の原因が見つかるはずです。
  ちなみに、濾過器の「適正サイズ」についてですが、“水草水槽”の場合は熱帯魚だけを飼っている水槽に比べると小さいサイズのもので十分用が足りるはずです。水草には水を浄化する働きがありますから、その水草をたくさん植え込んだ“水草水槽”では、そもそも濾過器による浄化作用がそれほど要求されないのです。水草水槽そのものが“浄化装置”みたいなものですから当然です。したがって、メーカーが熱帯魚だけの水槽も想定して「適正サイズ」を示している場合は、その1ランク小さい濾過器を選んでも能力の不足が問題になることはまずありません。極端なはなし、水槽の中に水を循環させるだけのポンプがついていれば足りるはずです。60センチ水槽ならば2231でも余裕があるぐらいです。ましてや2233ならば容量・流量とも十分です。よほど特殊なことを目指すのでなければさらに大きな濾過器は必要ありません。
  繰り返しになりますが、濾過の不足と思われる問題が発生したとき、濾過器の大きさの検討を始める人がよくいます。しかし、まず検討すべきは、濾過器の大きさではなく、濾過器の中身の問題です。掃除機なら、家庭で用いられているものはだいたい600W前後のものです。それを、「部屋のゴミが取れていないから」と言って1000Wや1500Wの掃除機に買い換える検討を始めたりはしませんよね。まずはゴミの詰まりや自分のかけ方に問題が無いかチェックするはずです。ご質問の水槽でもそういった例と同じように考えてみて下さい。 


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