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 : グッピーを水草水槽で飼うことはできますか
 
  水草水槽の中を綺麗なグッピーが泳ぎ回る水槽を作りたいのですが、グッピーがすぐに死んでしまいます。お店では「水草水槽でもグッピーは飼える」と聞いたのですが、本当のところはどうなんでしょうか。勉強やアドバイスにしたがってできるだけの努力はしているつもりなのに
、何度も買ってきても死んでしまいます。


 : 一般論として、「健康なグッピー」と「適した水質の水槽」の2つを組み合わせれば飼えます。

  個別の水槽の問題点は第三者が判断できることではないので回答は不可能です(極端な話し、たとえばお子さんが水槽にお菓子を放り込んでいたのが原因だったとしても第三者にはそこまで予想できませんよね)。したがって、一般論としての回答になります。

  まず、購入されているグッピーの質をチェックしないといけません。グッピー飼育の第一番目にして最重要のチェック項目は、“安価な外国産グッピーかどうか”です。なぜなら、1ペア150〜300円といった安価な外国産グッピーはお店に着いた段階ですでに病気に罹っている確率が非常に高い、という現状があるからです。そのようなグッピーでは、生き残る方が圧倒的に少ない場合も珍しくありません。したがって、こういったグッピーを購入してしまった場合は、グッピー自体に問題があるのですから、水槽がどのようなものであってもうまく飼うことはできません。
  したがって、グッピーを買うのならば私は国産のものをお薦めします。国産のものは最低でも1ペアで1500円ぐらいしますし、身体の大きさが外国産のものに比べれば数分の1ぐらいしかないので、ちょっと割高に感じられると思いますが、健康で簡単には死なないことを考えればそう高いものでもないでしょう。ただし、病気をもった外国産のグッピーを水槽に入れてしまっていた場合は病原菌が撒き散らされている可能性があるので、国産のものを買う前に水槽の消毒をしておく必要があるでしょう。このあたりのことはグッピー専門の本やサイトで情報を集めて下さい。グッピー飼育では基本の知識ですからけっこう情報があります。また、外国産のものだけを飼育するのであれば(国産のものと混ぜるのは感染の可能性の面でも血統の保持の面でも賛成できません)、ショップで病気のチェックがしっかりなされた外国産グッピーを購入して下さい。良心的なお店だと、外国産のグッピーを売るときは時間をかけて発症が無いかどうかをじっくり見極め、安全と判断できたものだけを販売しています(そういうお店はなかなか無いようですが)。

 次は、グッピーを受け入れる側の水槽のチェックです。グッピーは幅広い水質に適応することができる強い魚です。しかし、それは「徐々に慣らせば、」の話しであって、たとえばpHが2も3も異なる水にいきなり放り込んだりすれば調子を崩して死んでしまっておかしくありません。
  現在流通しているグッピーの多くは、弱酸性の水よりも中性から弱アルカリ性の水を好みます。国産のグッピーならば中性を真ん中にやや酸性からややアルカリ性の幅に入っている水ならばすぐに対応できるでしょう。一方、外国産グッピーは中性からアルカリ側に傾いた水を用意しておかねばなりません。多くの外国の人工繁殖場でアルカリ側に傾けた水で殖やしていたり、熱帯魚ショップがそのような水質で受け入れたりしているからです。ですから、仮に購入されたのが外国産グッピーだったとすれば、水槽の水は中性からアルカリ側に傾いている必要があります。たとえば、水槽がソイルを敷いていて二酸化炭素を強制添加しているようなものであったのなら、水質はきっと酸性側に傾いていますから、外国産グッピーを受け入れるのには無理があります。どんなに慎重に水合わせをしてやってもグッピーには間違いなく大きなショックになります。それで死んでしまった可能性も考えられます。国産グッピーを導入されたのであれば、少々酸性側に傾いていてもそれほど心配はありません。ただし、それがpH5.0以下、というような水質であったならば国産グッピーでも無理がでます。
 しかし、グッピーを最優先に考えて水をアルカリ側に傾けてしまうと、こんどはうまく育つ水草の種類が限られてくる、という悩みがありますよね。したがって、水草とグッピーの両立を考えるならば、まずは中性で育つ水草と水槽を用意し、そこにグッピーを受け入れるのが正解だと思います。

  その他にもグッピーを水草水槽で飼う際には注意しておかねばならないことが少しあります。1つは、グッピーが水に馴染んだあとでも、ソイルを使った「弱酸性+強軟水+有機物いっぱい」という、グッピーにとって厳しい環境はできるだけ避けることです。グッピーはこのような環境にも適応することはできますが、だからと言ってこのような環境で飼い続けていると、病気に罹りやすくなったり、健康な体型に育たなくなったりします。
  次に、グッピーの大きな尾についても注意が必要です。あまり水草が茂ってくると、グッピーは尾が邪魔になって水草の間をすり抜けて自由に泳ぐことができなくなってきます。また尾をあちこちにぶつけて傷が入り、そこから感染症にかかることも多くなります。よって、グッピーを泳がせる水槽ではグッピーのための遊泳スペースを十分にとってやる必要があります。また、同居させる魚の種類にも注意が要ります。特に国産グッピーは身体の割りに尾が大きい体型ですから、餌を素早くとるのが苦手です。動きの速いネオンテトラや赤ヒレやカーディナルテトラなどと一緒にいれて同時に餌を与えていると、グッピーは大食漢なのにあまり餌をとれない状態が続いてだんだん痩せてくることがあります。こういったことにも注意が必要でしょう。

  いずれにしても、水草水槽でグッピーを飼うということは水草の好む水質・環境とグッピーの好む水質・環境との妥協点で両者を同居させるということです。すなわち、グッピーにとっては最適とは言い難い環境で飼育することになります。そこのところを常に意識しておくことが重要でしょう。

※ グッピー&水草レイアウト水槽については、こちらのサイトが参考になると思います。一度ご覧下さい。
   → 「ENTRANCE of AQUARIUM


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