A : はい、あります。特別な目的がないのに、水質に影響を与える濾材を用いるのは避けるべきですが、そのような濾材を組み合わせるのはさらに避けるべきことだと思います。特に「何か放出する濾材」と「吸着する濾材」を組み合わせるのは水質を不安定にする可能性があります。
一般的な水草水槽に用いる場合、最適な濾材と言えるのは、
1.水質に影響を与えない
2.すぐに目詰まりしてしまわない
3.適度に目詰まりして細かな物も濾過できる
の3つの条件を満たしたものだと言えるでしょう。
つまり、水質に影響を与える濾材を使うのは、特別な目的をもって設置する場合のみに限られます。たとえば、
・水の黄ばみを取りたいけれど何かの事情で換水できないので応急的に活性炭を使う
・バクテリアがまだ少ない設置直後の水槽でアンモニアなどを減らす目的で活性炭を使う
・水を弱酸性にする目的で水質調整機能をもつ濾材を使う
といった場合です。逆に言えば、こういった目的をもたないのに水質に影響を与える濾材を使うのは、水質を自分でコントロールし難くするだけなので、私はお奨めできません。もちろん、複数の濾材を組み合わせる場合でも同じです。
また、一般的に言って、「何かを出す濾材」と「その何かを吸着する濾材」を組み合わせるのは、おっしゃる「効果がマイナスになる組み合わせ」と言えます。一方で何かを出させながら、一方でそれを吸収させていると、水質が不安定になります。ご質問にある濾材の組み合わせはこれに当てはまりますから、あまり良い状態とは言えないと思います。まずは水質に影響を与えないセラミック濾材を足し、2週間程度経ってそれにもバクテリアが着いたと思われたら、その時点で『P-CUT』も『カーボンパック』も取り去るのが良いのではないでしょうか。
ちなみに、『P-CUT』はよく「一部の水草が溶けた」という相談を受けます。熱帯魚だけの水槽には良い製品なのかもしれませんが、水草水槽には私はお薦めできません。また『カーボンパック』のような活性炭の類いは水草に必要なものまで吸着してしまうことがしばしばあります。ですから、何かしら特別な必要性が無いのであれば入れるのを避けた方が良いと思います。
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