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 : 水が逆流防止弁の中を逆流してきます。何か良い対策ってあるのでしょうか?

 みどボンでCO2を流している中間に逆流防止弁をつけて水の逆流を防ぐようにしています(水草の入門書に書いてあった通りにセットしたつもりです)。しかし昨日の夜よく見てみると、水が夜の間に逆止弁を越えて下がってきてしまいます。逆止弁はシリコンの弁がついているタイプです。ボンベもセットしたばかりの状態です。私のセットの仕方が悪いのでしょうか。それともみなさん何か別の良い対策をされているのでしょうか?教えてください。


 : 高圧ボンベの場合は、逆流防止弁を2つ着けるなどの対策が必要かもしれません。

 セットの仕方に不慣れな場合は、たしかにセットした中のどこかに何か問題がある可能性がありますね。しかし問題はおそらく逆流防止弁(逆止弁)自体にあると思います。きちんとセットしても、水が遡ってきてしまうことはよくあるのです。
 現在アクアリウム用として売られている逆止弁には、二酸化炭素(CO2)での使用に対応している逆止弁とそうでないもの(エアー専用)の2種類があります。ですから、まずはお使いの製品のパッケージに『二酸化炭素の添加に使える』という旨の表記があったかどうか確認してください。もし何も書いていなかった場合は、おそらくエアー(空気)専用の逆止弁です。両者は構造的には同じなので流用できないこともないのですが、弁の材質などに違いがあり、効果にも少し差がでると思われます。
 ただ、『二酸化炭素用』と書いてあっても、二酸化炭素の性質上、水の逆流を完全に止めるのは難しいようです。学校で習ったと思いますが、二酸化炭素には“水に溶けやすく溶け出しやすい”という性質があります。したがってチューブ(=細いホース)の中に二酸化炭素と水が同時に入っていると、二酸化炭素は、水と接している部分からどんどん水の中に取り込まれていってしまいます。そして水が二酸化炭素が減ってしまった分、その場所へどんどん進出していくような動きになります。すなわち、逆流が起きているというよりも、二酸化炭素が水に置き換わっていくようなイメージの現象です。
 このような現象は、使っている逆止弁が、ゴムのチューブの先を平たく潰した形の弁で流れを止める構造になっているタイプであるとき、特によく問題になります。水の浸入を許してしまうことがよくあるのです。このタイプの逆止弁は、パッケージに『二酸化炭素にも使えます』と書いてあっても、信用できない製品があります(それはそれで表示に問題があると思うのですが)。たとえ購入直後にはきちんと機能していても、メーカーが保証している期限を迎えるずっと前に働かなくなることも珍しいことではありません。
 対して、バネやゴムの力を使い弁でチューブに蓋をするような構造の逆止弁は、このような問題が比較的起きにくいようです。具体的には、ADAの「チェッカーロボ」のような逆止弁です。また、多機能型の拡散器に具備されている逆止弁機能を利用する手もあります。ジェックスの「アクアミスト」やジャレコの「ミスティー」のような拡散器です。これらを使えば高い確率で水の逆流を防ぐことができます。
 しかしこのような逆止弁や拡散器は、現時点では、残念ながら効果の割りにコストが高かったり、入手が難しかったりしてあまりお勧めできるものではありません。
 したがって、もっとも現実的な対応策としては、中の水の様子が観察しやすいよう透明な逆止弁を使うことと、それを縦に2つ直列に装着すること、そしてその前後も中の状態が分かりやすいチューブにすることをお勧めします。こうすれば、一つ目の逆止弁が機能していない場合やだんだん機能が衰えてきたときにすぐ気がつきますし、仮に1つ目の逆止弁が機能しなくなっても1つ目を交換するまでの期間は2つ目の逆止弁が水を防いでくれます。さらに、逆止弁の前後(特に後ろ側)を半透明のチューブにしておけば、逆流してくる水の進み具合をよく把握でき適切な対応がとりやすくなります。


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