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 : レースプラントを上手く育てるコツを教えてください。

 マダガスカル・レースプラントの子株が1000円前後で売られているのを見て、いつもつい買ってしまうのですがうまく育ちません。考えてみれば、ショップのディスプレイ水槽にも大きく繁ったモノを見たことがありません。安価な割にはやはり大変育成が難しいのでしょうか。


 : レースプラントは、“水槽で”育てるのが難しい部類に入ります。「コツ」のようなものでは解決できないと思います。

 私自身、レースプラントを水槽で4シーズン以上維持できたことがありません。3シーズンしか持たせられません(すなわち休眠2回)。したがって以下は確度にあまり自信がない情報であることをお含みおきください。
 まず、 レースプラントを美しく大きく、かつ、複数年に渡って育て続けるためには、何よりも底床の中の栄養分が重要になるようです。少なかったりバランスが悪かったりすると芋の部分が痩せてしまい次シーズンに発芽するための力が持ち越されません。もちろん、その栄養分に見合う光の量も必須です。
 さらに、pHが低く微量栄養分に富んだ水と、緩やかな水流あるいはまったく流れのない水が育成に有利です。腐植を多く含んだ砂利系の底床材を用いることと、フィルターの流量の調整で実現できます。また当然のことながら、葉長(種類によっては40〜60センチ)を超える深さと広さの水槽で育成することが大前提です。
 ただ、以上の条件を揃えると、水槽の中にコケが蔓延る危険性が高まりますよね。実際、うまく育てておられる方の水槽の中を拝見するとけっこうコケが出ていたりします。したがって、水景を美しく維持しながらレースプラントも美しく維持しようと思えば、上掲の条件だけでは足りないのが現実です。具体的には、そのコケを除去するためのエビや貝の導入(ただしヤマトだとレースを齧られる危険性高し)やそのバランス取り、換水のタイミングの調整、肥料の種類や与え方など多くの工夫が要求されます。これらすべてが揃わないと、育成と鑑賞の両立は難しいでしょう。
 したがって、おっしゃるように、やはりレースプラントは育成の難しい種類に入ると私も思います。現地では絶滅が危惧されている水草だけに購入も育成も慎重にしたいですよね。


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