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 : 水草に気泡を上げさせたりつけたりするにはどうすれば良いでしょうか

  水草の気泡についてなのですが、全然、水草が気泡を上げたりつけたりしてくれません。二酸化炭素は発酵式で添加しています。 植えている水草は、アマゾンソード、アンブリア、ハイグロフィラ、グロッソスティグマ、エキノドルス オパクス、ウィローモス、南米ウィローモス、アマゾンフロッグピット、バナナプラント、イエロー リシマキア、ロタラ マクランドラ、スクリュー バリスネリア、ミクロソリュウム、コイン ウォーターチェーン等で、植えた時期はほとんどバラバラです。底床はコトブキの『ろ過砂利』というものです。ろ過はテトラの『ワンタッチフィルターOT-W』、ライト点灯時間は4灯80Wで8時間ほどになります。どうか気泡を出してくれる最適な方法、環境を教えていただけると幸いです。
 


 : 換水を控えて水槽の水のとろみが増すようにしたり水面の動きを減らすなどして水中の溶存気体の量を増やせばよく気泡が観察できるようになります。ただし、「気泡が観察できる=水草が元気な印」と考えでのことならばそれは誤りだと思います。

 水草に気泡がついている様子は、一般的な傾向として、水に溶けている気体の総量が多い場合に簡単に観察できると言えるでしょう。逆に言えば、総量が少なければ、光合成で盛んに酸素が生産されていても気泡はなかなか見られない、ということです。水槽の中で酸素が飽和状態になるほど生産されることはちょっとあり得ないでしょうし。
 このことを別の角度から見れば、「気泡が観察できる=水草が元気な印」ではない、ということにもなります。よく、気泡が出ている状態こそが水草も良い状態なのだと誤解されますが、そうではありません。水にいろいろな気体が溶けている状態では弱っている水草からも盛んに気泡が出ているのを観察できますし、逆に旺盛に光合成をしている水草であっても気体の溶け込みが少ない水の中では気泡がほとんど観察できません。つまり、気泡が見られるかどうかと水草が元気かどうかは、一定の関係があっても他の要素もたくさん絡む別次元の話しなのです。
 気泡がつくかどうかは、水草の光合成の量以外の要素、つまり上記の水への気体の溶け込みの量の他、水温や水の粘り、水深、水面の膜の状態など多くの要素が絡んでいます。ですから、もし、水草を元気することが目的なのではなく、たとえば水槽や水草の撮影などが目的で気泡をつけさせたいのであれば、水草の光合成の量以外の要素をいじってやればそれでも目的は達成できます。たとえば、一番簡単なのは蛇口から出したばかりの水道水で多めの換水を方法です。水道水は水道管の外に出てかかっている圧力が一気に減れば中にたくさんの気泡が生まれます。その中では水草が少し光合成をしただけでたくさんの酸素の気泡がつきます。また、『アクアセーフ』などの粘膜保護剤を水槽に添加するのも簡単な方法です。気体が水面から放散しにくくなるので水中で気泡が発生しやすくなります。ただし、目的がそうではなく、水草を元気にすることが目的で、そのために「気泡が見たい」とおっしゃっているのであれば、こういうことをしてはダメです。不必要な換水など、水槽に余計な手を加えることはかえって水草に悪影響を与え、水草の元気を奪ってしまいます。水草が順調に育っているのであれば、気泡が観察できなくても気にしないでおくのが正解だと思います。育っていないのであれば、光量や水質など育成の基本的なところを見直しましょう。


水道水を注いだ直後の水槽。

水草の挙動に関係なく、このように水道水を注いだだけでも気泡はできます。実際にためしてみれば分かりますが、このような環境下では、たとえ水草が弱っていてわずかな光合成しかしていなかったとしても、旺盛に気泡を上げている様子が観察できます。すなわち、「盛んに気泡を上げている=水草が元気な印」ではない、ということです。


気泡と水草の元気さは別もの。


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