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 : 流用できるお薦めの肥料を教えてください

 こんにちは。熱帯魚を中心に飼っているのですが、こんど本格的な水草水槽にしたいと思っています。そこで肥料についてお聞きしたいのですが、調べたところ水草用の高価な肥料の代わりに園芸用の肥料が使えるようなのですが、お勧めの園芸用肥料があれば教えてください。チッソが含まれていない開花用の肥料はどうでしょうか。


 : お薦めとして具体的な商品を挙げるのには難しいところがあります。どの肥料が最適かは底床材との相性や植える草の種類など様々な要素で決まってくるからです。

  “私のお勧め”を挙げることは、正直言って簡単ではありません。いろいろな要素が絡んでくる問題ですし、私自身、いろいろな肥料を、場面や状況に合わせて様々使い分けているからです。しかし“使いやすさ”や“入手のしやすさ”という視点に絞ってあえて挙げるならば、
 ソイル系の底床には、
・「ハイポネックス原液」(液体肥料:基本3要素の補給用)と
・「(ハイポネックス)ハイグレード活力液」(液体肥料:微量要素の補給用)を、
また、砂利系の底床には
「テトラ イニシャルスティック」(粉末肥料:カリ主体。有機物とリンの補給も)や
「アクアフローラ」(粒状肥料:総合的な栄養補給用)
などが適当だと思われます。
  ただし、もちろんこれらも水草水槽の種類や状況によってはふさわしくない場合もあることをわかっておいてください。

  ところで、『肥料の選び方』というテーマは、いろいろな要素が絡むテーマです。
・植えようとしている水草が好む栄養バランス(例えばチッソなどを多く求めるかどうかなど)
・植えようとしている水草の種類の組み合わせ(底床下か水中かどちらに施肥すべきかなど)
・水草の状態(弱っていたり幼苗だったりしたら施肥は少なくすべき)
・二酸化炭素や光の量(多いとそれだけたくさん施肥も増やさないといけない)
・水景の維持方法(もし手間を減らしたいのであれば施肥も減らすべき)
・魚の量と給餌の量(多いのならばその分を肥料で補うべき)
・用いる底床材の性質(透水性や保肥力、pH、有機物の多寡等)
などなど、様々なことを考慮して選ぶことになります。さらに水槽の状態は刻一刻と変化していきますから、それに合わせて選考を繰り返し、結論を変えていかねばなりません。
 このあたりのことは説明し始めるとキリがないですし、逆に、もし誰かに全部説明してもらったのでは水草水槽の楽しみが半減してしまいかねない問題でしょう。あれこれ考え、それを実際に水槽で確かめ、試行錯誤して自分なりの結論を得ていく・・そういう過程こそが水草水槽が知的な好奇心を刺激してくれる中核であり、長く楽しめる趣味になりうる要石ですから、まずは上掲のような肥料を足がかりにご自分でいろいろ試してみてください。きっとご自分の水槽の状態や目的にピッタリ合った肥料が見つかるはずです。

 開花用の肥料についてですが、適しているかどうかは、上述の通り、計画されている水槽により決まってきます。
 ただ、ネット上には「チッソが入っていないから」という理由だけで安直に使用を勧める記述がアップされていたりもしますから、そのような情報を参考にされているならば少し注意が必要でしょう。開花用の肥料には開花を促進するホルモンが含まれるなど、普通肥料とは異なった性質をもつ製品がかなりあります。そのため、ネット上で使用を勧めておられる方が、水草の不調(予期しない抽苔が起きる、栄養生長を促さないといけない場面でそれがうまくいかない、など)を同時に書いておられたりする例も見受けられます。
 したがって「この場合は開花用が適している」と判断できるようになるまではもっとバランスのとれた汎用性の高いタイプを使う方が良いように思います。そもそも、最近の水草水槽ではチッソが不足することも珍しくありませんから、「チッソを含んでる肥料は水草水槽にむかない」という前提自体が疑わしいですし。
 やはり、ご自分で考えそしてそれをご自分の水槽で確かめて、楽しみながら適した肥料を決めていく、というのが一番確実だと思いますし、また、それしか選ぶ方法はない、とも思います。


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