HPを別窓で開く
 

 : アヌビアス ナナの葉のフチにつく黒い房のようなのコケの発生を抑えるにはどうすればよいでしょうか

 アヌビアス ナナの葉のフチに黒い房のようなのコケがたくさんついて困っています。「窒素が多いと発生する」、と聞いたのでマメに換水をしたのですが無くなりません。どうしたら発生を抑えられますかか。


 : 決定的な解決法がまだ発見されていないので、効果がありそうな方法を複数組み合わせてためしてみて下さい。

 残念ながら、アクアリウムの趣味の世界では未だコケ(藻)に対する決定的な解決策が発見されていません。したがって、“ある程度効果があるであろう”という対策を様子をみながら組み合わせて実行するしかありません。そのことを前提にしてこれまでに分かってきていることを書いておきますね。
 房状のコケは、水槽を長期間維持していればよくお目にかかるものです。発生しない水槽も多いですが、一方で発生に悩まされる水槽も少なくありません。また水槽の調子が悪いから発生するというものでもありません。したがって、ある程度の発生は「仕方ない」と割り切る必要があると思います。
  しかし、水草にあまりにもたくさんつくのは見た目が悪いのでどうにかしたいですよね。そこで、この房状のコケの特徴を把握して対処法を考えるとすると、次にの挙げるようなことに気づくはずです。
 ガラス面などではなく葉のフチにつくのは、アヌビアスの仲間(ナナやバルテリィ、コンゲンシスなど)やヤマサキカズラ、アコルスの仲間などによく見られる現象です。これらに共通しているのは、みな“水中では生長が緩やかな水草”ということです。
 また水槽の中をよく観察すると、たくさんつくのはフィルターの吸・排水口やその周辺など“水流の強い場所”です。
 さらに、ご質問にある「水中の窒素の多さ」についてですが、確かに水中に窒素分(硝酸)が多い時、さらにリン分が多い時によく発生するように感じます。しかし、仮に頻繁に換水を続けて窒素分やリン分が濃くならないようにしても、発生してしまうときはやはり発生してしまいます。発生の量は少なくできますが、完全に抑え込むことは難しいようです。
 光に関しては、このコケは光のあまり当たらない部分にも発生しますし、よく当たる場合にはもっと大量に発生します。
 また水の硬度については、硬度が高めでpHが中性〜アルカリ性の場合にもよく発生するようです。ただし、硬度に関しては、「そのような水だから“生長が悪くなって”コケがつき易くなっている」とも考えられるので他の要素の観察に比べるとさらに不確かでしょう。
 以上を総合すると、「生長が遅い=あまり動かない」・「水流が強い」・「水中の窒素分とリン分が多い」・「光が強く当たる」といった条件が重なると最も多くつくコケであると考えられます。また実際、水槽をキープしているとそのように感じられます。ですからそうである可能性は高いでしょう。
 したがって、妥当な解決策を探るならば、今のところは「これらの条件をできるだけ揃えないようにすること」だと言えるでしょう。ご質問にある水槽について、上に挙げた点をチェックし、水流を緩めたり水草の種類を検討し直したりといった対処をしてみて下さい。
  ただし、上述の通り、そうすれば必ず防げるというものではない、という点は忘れないで下さい。対策を施しても発生する水槽では発生します。すなわち、決定的な解決策は発見されていない、ということです。
 ちなみに、ミジンコなどの動物性プランクトンが多くいる水槽では、長期間維持していてもこの房状のコケが発生しにくいことを実感します。理由はまだよく分かりませんが、ミジンコが餌として摂取するものにコケの遊走子なども含まれているのかもしれません。そのせいでコケが増殖しにくい可能性が考えられるでしょう。また、エビを多めに入れている水槽でも同じような傾向が観察されます。こちらは、コケが増殖しにくいのではなく、発生しているのでしょうけど柔らかいうちに食べられてしまっている可能性が高そうです。こういったことも参考にしてみて下さい。


BACK