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 : 濾過器を増やしてコケの発生を抑えたいと思っています。どのくらいのサイズのフィルターが良いでしょうか。買い替えるか1つ足して連結しようかと思っています。

  60センチ水槽で水草を始めました。しかし、最近コケが増えてきました。「濾過がしっかり効いていればコケは生えにくい」という話しを聞いたのですが、60センチ水槽ならフィルターのサイズはどのくらいのものが適切でしょうか。予算によっては連結させることも考えています。水槽はセットしてから3ヶ月です。


 : 通常の水槽の場合、濾過器を増やしても期待されているような効果は得られないと思います。

 私も最近ネット上で「濾過が十分に効いていればコケが生えにくい」という意見を何度か目にしたことがあります。理屈だけで考えた場合、確かに、濾過がしっかりされていれば、水槽の立ち上げ時によく発生する褐色の藻類は発生しにくくなるはずです。また、脱窒まで可能な濾過器がついていれば窒素分を多く要求する藻類は発生がある程度抑えられるはずです。このようなことは日々の水槽の維持の中で実感できます。
 しかし、こういったことは、あくまでもこういった範囲内のみでの話しです。ちゃんと立ち上がった水槽全般に言えることではないでしょうし、通常のフィルターで通常の維持をしている一般的な場合すべてにあてはまる話しでもないでしょう。私はこの理屈に実証的な根拠が示されているのを、今まで見たことがありません。自分の経験上も、そういう結果が出たことがありません。濾過がしっかり効いている水槽でもコケは必ず発生します。実際にやってみれば分かるはずです。
 もちろん水槽のしくみは複雑ですから、「濾過が十分に効いていればコケが生えにくい」ということが実際に起きる水槽や場合があっても不思議ではありません。しかしその場合も、現象にはもっと多くの他の要素が複雑に絡んでいるはずです。単純に「濾過が効いている=コケが生えにくい」という図式ではないはずです。もしそのような単純な図式であるなら、上述のように、“一般的な”水槽で“一般的に”観察される現象のはずだからです。
 したがって、これから先、どなたかによってもう少し詳細な考察がなされれば何らかの因果関係が見つけられるかもしれませんが、今の時点でご質問のようなことを考慮される必要は無いと思います。60センチ水槽であれば、通常サイズのフィルター=たとえばエーハイム『2213』と同等クラスのフィルターを着ければ十分です。もし、どうしても気になるようでしたら、ためしに2つ着けてみてください。私の場合は別の目的で2つ、3つと着けることがたまにありますが、それによってコケの減少が見られたことは残念ながら一度もありません。


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