水草のマグネシウム補給の工夫


すなっふさんからマグネシウムの水槽添加について有益な情報をいただいたので、保存させていただきました。ま、たkasimaruさん、肉豆腐さん、REDさんからも追加情報をいただいております。みなさま、どうもありがとうございます。 03.02.01


マグネシウムの補給の仕方

すなっふ 2003/01/25

 こんにちは、すなっふです。
 いろいろ教えてもらいっぱなしというのもなんなので、自作マグネシウム補給液の作り方を書こうと思います。
 筋肉痛の時などにお風呂に入れて使用するエプソムソルトという塩があるのですが、日本ではあまり一般的なんでしょうか?ハンズなどに行くと置いてあると思うのですが。アロマテラピー関係にも使われてるみたいです。
 作り方は150mlの水に大さじ2(約10.8g)のエプソムソルトを混ぜるだけです。
 この分量で作ると1mlの補給液につき0.04ppmのマグネシウムが含まれています。
 これを毎日60cm水槽に1mlずつ入れます。面倒だったら週2回くらいにわけてもいいです(その時は分量を増やします)。
 でもこれは肥料を自作している人にはいいのですが、市販の肥料を使ってる人には役に立たないかもしれませんね。市販の肥料にはマグネシウムはすでに含まれてるだろうし、水道水を普通に使ってる限りではマグネシウム欠乏症なんてあまり起こらないみたいですし(鉄分欠乏症によく似ているらしいです)。私自身、自作肥料を使ってるのですがマグネシウムを多めに補給したからといってカリを補給した時のような水草の生長の違いは分かりません(^^;
 それでもこちら(アメリカ)ではけっこう普及しているやり方ですし、もしかしたら役立つかも…と思って書いてみました。

<kasimaruさん>
>エプソムソルトとは、(エプソム塩:MgSO4・7H2O)のことでしょうか。
>最終的には添加量の問題なのでしょうが、これが気になって私はカリ液肥も硫酸カリウムではなく、炭酸カリウムを原料としています。土壌に撒くのと違って水槽内にはある程度残留しますので、取り越し苦労なら良いのですが、使用されている方のご意見、使用感をお聞きしたいと思います。

 エプソムソルト=エプソム塩でいいと思います。硫酸イオンの件ですが、今の所聞いた事はないです。これを使ってる人は基本的に二、三週間に一度換水してるようだし入れる量も微量なので特に問題ないのでは?
 なぜマグネシウム補給にエプソムソルトかというと、アメリカではどこにでも売ってる物&安いだからです。硫酸マグネシウムの方が安いならそちらの方がいいとは思いますよ。

 ちなみに元案はPMDD(貧乏人のデイリー・ドロップ)という物で、他に硫酸カリウム(K2SO4)、硝酸カリウム(kNo3)、トレース・エレメント(鉄などその他もろもろ)をまぜて作ります。
 オリジナルの原案はhttp://www.cam.org/~tomlins/algae.html(ウェブページ翻訳してもわかりにくい^^;)で、二人の学者か誰かがコケ退治のために実験した結果の成分です。特に硫酸カリウムは植物の生長に不可欠なのに不足する事が多いので入れた方がいいみたいです。こちらでも最近やっと硫酸カリウム補給液が売り出されるようになりました。
 わざわざマグネシウムを混ぜるのは基本のトレース・エレメントに含まれていないからで、もしお使いになってる肥料にすでに含まれている場合は必要ないかもしれません。

<肉豆腐さん>
> 「マグネシウムは、リン酸の共存によって吸収が促進され、カリウムの存在によって拮抗的に吸収阻害される」そうです。うーん、難しいですね。マグネシウムとカリウムを同時に与えると、効果がそれぞれ半減するということでしょうか?

 どうなんでしょう?私はいつも同時に入れてますが硝酸カリウムを入れすぎると苔ます。効果が半減してるようにはみえないです(^_^;

 で、カリウムとカルシウムの吸収阻害について調べてみました。
 カリウムが過剰になると植物は必要量をはるかに超えたカリウム量を吸収するらしいです。こういう状態になるとカルシウムとマグネシウムの吸収を妨害してしまうそうです。
 検索結果にざっと目を通してみたのですが、マグネシウムの吸収阻害については上のような内容しか見つけられませんでした。もし上記の内容の通りなら、カリウムが過剰にならない限りはマグネシウムの吸収阻害は起こらない…という事ですよね。ほどほどの量の肥料をやってれば吸収阻害は起こらないのでは、と思います。

<REDさん>
 いろいろ話を統合する限りでは、カリウム・カルシウム・マグネシウムは拮抗作用を起こす関係にあるため、このなかのどれかが特出して多いと、他の二要素の吸収を阻害してしまうということのようです。

 ただ、カリウムとマグネシウム・カルシウムでは植物体内の含有量がそもそも違うので、どの程度格差がつくと阻害が起こるのか謎ですが・・。また、カルシウムは適度な間はカリウムの吸収助けるが、一定を超えると阻害作用になるという話しもあって、その線引きはどのあたりにあるのかなど、謎が多いですね。

 私は元肥にマグァンプKを使うことが多いのですが(高硬度を嫌う種には使ってません)、この極端な比率(K6 Mg15)の肥料でも、特に問題を感じたことはありません。かなり量的な差が出たときに問題になるのか、あるいは実際には多少の拮抗作用が起こっているけど、成長に問題を起こすほどではないのかは不明です。

<肉豆腐さん>
 野菜関係の分野では、アンモニア態窒素を多く施肥しすぎるとマグネシウム欠乏症が生じるというのが通説だとか。で、マグネシウム欠乏症がどういう比率で起こるのか、調べた例がみつかったので一応紹介いたしますと・・・
 アンモニア態窒素は通常施肥の2倍程度でもマグネシウム欠乏症が発生するのに対して、カリでは5倍程度、カルシウムでは7.5倍程度にならないと発生しない。(通常の施肥量:乾土100g当たり、アンモニア態窒素30mg、リン酸:34mg、カリ:50mg、マグネシウム:10mg、カルシウム:245mg)以上、キュウリの栽培試験データから。

 単純に比率の問題ならば、マグネシウムの25倍量のカリウムでやっとマグネシウムの吸収阻害が出るということですね。水草に当てはまるかどうか別としても、そんなには過剰に入れないですね、カリウム(^^ゞ

 


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