水草と混生〜イモリ編〜
サルモサラー 2005/03/21
イモリの飼い方の基本
イモリは非常に育てやすい生き物で、イモリ単独で考えるとどんな状況でもそれなりに飼えてしまいます。
水質、水温、餌、飼育環境など非常に適応範囲の広い生物です。また、長生きするものですから(1〜30年、一説によると60年)、それなりに飼い応えのある生き物だと思います。
とはいえ、自然界においても近辺では滅多に見ることが出来なくなりました。私は、一時イモリ採集が楽しくて色々探し回ったのですが、「大体ここらには居るだろうな・・」というのが分かるようになりましたが、(ホンマかいな・・)現在の状況を鑑みるとやはり水質の点で生息地が狭くなってきてるのは事実でしょう。特に農薬を多用する田んぼでは、たとえそれが山間地であっても見かけられなくなってきました。
ですから、普通に水草水槽を行ってる水槽であれば後述する水温さえクリアすれば特に問題なく飼えるハズです。
単純にイモリを飼ってる方は多いと思います。(そうかな?) その殆どは、陸地を作り、亀を飼うようにしてるはずです。私はそれがいやで水草水槽に興味がわいたといってもいいくらいです。確かに、理屈から言えばそういう飼い方が一般的ですが綺麗でないですし、不衛生ですし、飽きてしまいます。
私は写真のように水槽に満杯の水で、陸地も設けてません。当初は浮島タイプのものを設置したりしましたが、水草を入れるにあたり日当たりが悪くなりますし、何より脱走の名人のイモリを手助けすることになってしまうだけです。渓流で見かけるイモリは結構深みにも長時間いますし、その気になれば空気を吸いに水面まで上がってきますから何の問題も無いでしょう。そしてなにより水中のイモリの方が断然美しいです。
餌
一般的には生でも乾燥でもイトミミズや赤虫が多いですが、動物性の餌であれば何でも食います。この餌の部分が私の今後の課題なんですが、水質との兼ね合いで一番良い物を探して行きたいと思ってます。結構カメの餌(小粒で浮くタイプの物)が、食い散らかさないし、残れば取り除けるし、いいかなと思ってます。もちろんイモリは匂いを嗅ぎつけて水面で浮いて食います。
設備
水草との混生であれば、もちろん水草の設備そのままでいいです。ただし、脱走の名人ですので隙あらば逃げようとします・・というか、逃げます。(笑)
ふとコタツ布団をめくった時に干からびる寸前で発見します。ですのでガラス蓋は必須です。照明その他器具も工夫して隙間が無いようにしないといけません。
※画像の水槽は60cm*30cm*36cmです。
水温
当初、常温で飼ってましたが、今はヒーターを入れてます。どちらかと言えば入れる必要は無いと思います。水草に影響なければ無いほうがいいでしょうね。我が家では四六時中産卵し四六時中子供が孵ってます。その割りには成長したイモリの赤ちゃんが見かけられません。
そうなんです、イモリは卵から、幼生から全て餌の対象になります。無事育てたいのであれば産んだそのあしで避難させてあげなければだめですけど、出来てません。
自然界では水温10度前後の渓流から、夏場の田んぼの40度近いような水温まで見かけられるイモリですので、どのような環境でも育ってくれると思います。
他生物との混生
自分の子供を食いますので、イモリより小さな生物は基本的には避けないとだめです。
苔を食わすのにエビ入れましたが餌になりました。
ただ、反面、エビでも体長3センチくらいなものでしたら、そう易々と食われないので、長期に餌をやれない場合の保存食みたいな形で入れておくことは出来ると思いますが、間違っても高価なエビを入れない事です。
何よりフォトジェニックである!
誰に聞いても、一般的に皆さんヤモリと勘違いされ気持ち悪がられます。(笑)
ただし、勘違いを解いても、一層気持ち悪がります。(笑)
しかし、私んとこの水槽を見て気持ち悪いと言った人は誰もいません。それだけではなく
「カワイイ!」 「綺麗やネ!」
と殆どの方は言ってくれます。あれだけ気持ち悪がってた嫁もずっと眺めては飽きもせず1時間くらい平気で眺めてる事があります。
そうなんです、水草水槽で飼う事によって気持ち悪いと言われるものが、愛おしい生物に変身するんです。(これも言い過ぎか・・)
生まれた赤ん坊なんて
「カワイイーッ!! ウナギ犬そっくりで キャー!」ですよ。
バカボン知らない人はわからへんっちゅうに。
要するに水草水槽という綺麗な舞台で演出することによって グロテスクな生物が逆に変わってて面白かったり、かわいく見えたりするとなんだと思います。
結果的には私の思った通りになってイモリも救われました。これは他の水生生物でも同じことだと思います。
ミズカマキリやタイコウチと小魚の混生、ドジョウ、沢ガニ、ヤゴ、まだまだいっぱいいますよね、フォトジェニックな生物が。