水槽の選択(水槽総合)
00.12.04 02.05.05改訂増補 02.05.19補筆 02.05.30補筆 02.06.29補筆
「水槽」は、どのメーカーのものもよく似ているため、初めて購入するときには、その大きさぐらいしか気にされないことが多いようです。
しかし、その後の飼育スタイルに少なからぬ影響を与えるポイントがあります。水槽の材質は手入れの仕方や水槽の寿命に影響しますし、枠があるかどうかはフタをどうするか、あるいは見た目がどうか、といったところに影響します。
実際に水槽をセットした後、気に入らない点があって水槽を交換したくなっても、中に底床や水、魚などを収容してしまっていては、そう簡単に交換するわけにもいきません。気に入らないところがでてきても、我慢して使い続けなければならなくなるのです。
したがって、のちのち後悔することのないように、水槽の選択には慎重にあたらなければなりません。
そこで、以下、水槽選択のポイントを挙げておきますので、買う前にチェックしてみてください。
● 水槽のサイズ
【 容量 】
水槽のサイズは、概して大きいものが良いです。小さいものより大きい方が水質の変化が緩やかになり、魚や水草が調子をくずす確率が低くなるからです(詳しくはこちらを参考にして下さい→「体積と表面積の関係を知る」)。【 高さ=深さ 】
いくら水槽は大きい方が良いとは言っても、限度があります。大きいことで問題になるのは、「手入れのたいへんさ」です。
今、ためしにご自分の手首からわきまでの長さを測ってみてください。だいたい50センチ前後のはずです。ということは、50センチ以上の深さがある水槽を買うと、水槽の底に手をやろうとするたびに、わきの下まで水に浸けないといけなくなるということです。実際には、底床を数センチ敷きますし、できるだけハサミやピンセットを使ったり水草の植え替えを可能な限り避けるなどして底まで手を入れることは避けます。しかしそれでも、底まで手を入れなければならない場面が、ある程度はあります。
また、水槽を台の上に設置すると、底まで手を届かせることがさらに難しくなります。水槽を設置したところを想像しながら実際に手を入れる真似をしてみてください。肘が水槽の枠があるために伸ばせないのが分かっていただけると思います。
したがって、水槽の深さについてはは十分な注意が必要です。
目安としては、50センチぐらいが一応の限度と考えてよいでしょう。さらに深い60センチだと、大人の男性でないと苦しいと思います。逆に45センチだと、水に浸けるのはふだん肘ぐらいまでになり、管理が割りにらくです。【 重量 】
容量の検討とは別に、設置場所の重量強度の問題があります。自分の育成スタイルに最適な容量を算出しても、設置場所の床がその重さに耐え切れないようでは仕方ありません。
一般には、「水槽の横×奥×高さ×1.3(=3割増し)」ぐらいの重さを想定して設置場所の安全性を検討します。(重い水槽台などを使う場合はそれらも足して考えます)
安全なレベルを一概に言うのは難しいのですが、60センチのスタンダードな水槽(幅60奥30高36)や90センチのスタンダードな水槽(幅90奥45高60)で、「床が抜けた!」なんて言う話しは、私は聞いたことがありません。床が抜けるなんてことは少ないものと思われます。
しかし、120センチのスタンダード水槽(幅120奥60高60)だと、「床が傾いた!」という話しは聞きます。180センチ水槽になると、「床が抜けた!」なんてことも聞いたことがあります。
このあたりは、水槽の置き方、水槽台の設置場所、水槽台の構造、水槽台の置き方などとも関係してくるのでそちらで詳しく説明しますが、とにかく水槽を選ぶ時には、必ず設置場所も考えて、その大きさを決定しなければなりません。【 幅 】
水槽には、その幅を目印にした一定のスタンダードなサイズのものが存在します。「60センチ水槽」と言えば、一般に「幅60センチ、奥行き30センチ、高さ36センチ」の水槽を意味します。
これは、昔の水槽の規格の名残りです。次の表の色のついている部分が現在この「規格(スタンダード)水槽」と言われているものです。
昔の規格
号数 | 幅 | 奥行き | 高さ | 一般的なガラス厚 |
1 | 36.3 | 24.2 | 24.2 | 0.3 |
2 | 39.4 | 24.2 | 30.3 | 0.3 |
3 | 39.4 | 30.3 | 30.3 | 0.3 |
4 | 45.5 | 24.2 | 30.3 | 0.3 |
5 | 45.5 | 30.3 | 30.3 | 0.3 |
6 | 60.6 | 30.3 | 30.3 | 0.3 |
7 | 60.6 | 30.3 | 36.3 | 0.5 |
8 | 90.9 | 45.5 | 45.5 | 0.6〜0.7 |
9 | 90.9 | 45.5 | 60.6 | 0.7〜1.0 |
10 | 121.2 | 60.6 | 60.6 | 1.2 |
(cm)
現在売られている水槽の一般的なサイズは、上の表の端数を省いた数字となっているようです。すなわち、次のようなサイズです。
・ 60×30×36 (=60センチ規格水槽)
・ 90×45×60 (=90センチ規格水槽)
・120×60×60 (120センチ規格水槽)
ただし、実際に売られている水槽を測ってみると、若干そのサイズにはバラつきがあります。
中には、まだこの古い規格と同じサイズのものもありますし、多いのは、たとえば幅なら60センチよりも少しだけ小さなサイズの水槽です。
したがって、幅を決定するときには、この「バラつき」があることを考慮しておかなければなりません。そうでないと、たとえば60センチきっちりの棚を調達してきておいて、そこへ水槽をはめようとしたところで、「うわ〜!1ミリ大きいやんけ〜!」と叫ばないといけないかもしれません。また、メーカーによっては、上記とは違うものを「規格水槽」と言っていたりするため、「別の規格水槽」も存在します。次のようなサイズです。
・ 60×30×36 (=60センチ規格水槽。これは上記の7号水槽と同じ。)
・ 90×45×45 (=90センチ規格水槽。上記のものより浅い。)
・120×45×45 (=120センチ規格水槽。上記のものより小さいが、こちらの方が一般的。)
・180×60×60 (=180センチ規格水槽。最近になって普及してきた大型の水槽。)
したがって、幅90センチ以上の水槽について他の人と話すときには、上記のどちらを想定して話しているのか、注意が必要なのが現状です。
ところで、水槽の幅は、観賞面から言えば、真っ直ぐ正面を向いた時の視野の70パーセントぐらいを占めていれば、「うわ〜!大きい!」と感じられます。そしてこれは、観賞時にどの程度の距離をもって見るかと関わります。したがって、大きな水槽を置きたい場合は、観賞時の水槽との距離と視野の角度とを併せて検討します。
【 奥行き 】
水草のレイアウトは、奥行きが感じられるかどうかが、その良否の鍵になることがあります。したがって、奥行きはできるだけある方が望ましいと思います。
ただし、水槽を部屋の中央に置いて水槽の四方から手入れできるのなら別ですが、ふつうは奥行きがあればあるほど手が届きにくくなるので、それだけ手入れが難しくなります。
また、奥行きの不足はレイアウトの技術によってもある程度はカバーできますが難しいです。【 比率 】
また、水槽の幅と奥行きと深さの比率が、レイアウトの印象に決定的な影響を与える点にも要注意です。
たとえば120センチ水槽の場合、部分部分を見れば標準の奥行き60センチでレイアウトに奥行き感を演出することはできます。しかし、全体として見れば、明らかに幅に対する深さと奥行きが足りません。120センチ水槽に限らず、大型の水槽は手入れのしやすさやガラスの厚みの制約などのため深さと奥行きの割合小さくなっており、横長になっています。
したがって、大型の水槽を買う場合は、「どの程度まで横長でも我慢できるか」を予め考えておかねばなりません。ところで、この「水槽の3辺の比率」については、1:1:1の比率の水槽、すなわちサイコロのような水槽が存在します。このような水槽を、一般にはそのまま「サイコロ水槽」、あるいは「キューブ(正立方体)水槽」と呼んでいます。60センチのサイコロ水槽などは、部屋の中央に置き、どこからでも観賞できるようなレイアウトを組むことが多いです。また、10センチぐらいの小さなサイコロ水槽もあり、こちらは机の上に置くなどして楽しまれます。
他には、規格水槽よりもやや深さを増してある「ハイタイプ」などと呼ばれるものもあります。これはレイアウトに、見ている側へ迫ってくるような印象を出したいときに便利です。
自分の欲しい比率の水槽が見当たらないときは、注文に応じてくれるショップやメーカーがたくさん存在するので、一度問い合わせてみると良いでしょう。また、ADA社などは、そのようなレイアウト上の要求に合った水槽サイズをさまざま取り揃えているので、あるかどうかカタログなどでチェックしてみてください。
【 私の意見 】
独断ですが、水槽のサイズは、次のような順をたどる方が多いのではないでしょうか。(1)初期 : 「最初だから」という理由で小さなサイズでスタート。
(2)中期 : 「やっぱり小さいのでは使いづらい」ということで、60センチ水槽を買い直し。
(3)後期 : 「もっと大きな水槽で自慢したい」ということで120センチ以上の水槽を追加購入。
(4)終期 : 「も〜世話するのがめんどう」ということで手放す・・ということで、ご自分が「飽きっぽい」と思われている場合は、ずばり最初から120センチ以上の水槽を購入することをお勧めします。もちろん、その他の制約をクリアーしていることが条件になりますが。
そうでなければ、まずはスタンダードなところで60センチサイズがやはり一番のお勧めです。「60センチ(規格)水槽」だと奥行きは30センチとなりますが、30センチだとレイアウトに奥行き感を表わすのはけっこう難しいです。相当技術が要ります。
その点、奥行きが10センチ多い40センチあれば、ずいぶんレイアウトの印象が違ってきます。
したがって、入手出来るなら「幅60、奥行き40〜45、高さ40〜45」の水槽がお勧めです。
● 水槽の材質
【 種類 】
水槽を材質で分類すると、主なところで次の3種類となります。・ プラスチック
・ アクリル
・ ガラス【 特徴 】
次に、それぞれの主な長所と短所を挙げてみましょう。
<プラスチック製> 長所
・濾過層と一体になっている水槽に多いため全体としては割安のものが多い
・入門用の小型のものがバーゲンの対象になっていることが多く入手が容易
・3種の中ではもっとも軽い
・軽いため手軽に移動が可能
・加工がしやすい短所
・直射日光による劣化が早い
・傷がつきやすい
・傷がつきやすいため壁面のコケ取りが難しい
・劣化による寿命が一番短い
・大型の水槽を作るとたわみが大きくなるので小さな水槽にしかない<アクリル製> 長所
・3種のうちでは透明度がもっとも高い
・厚い板が必要な大型水槽でも透明度が高く維持される
・割れにくい
・軽い
・大型水槽だとガラス製よりも割安になる
・プラスチックの次に加工がしやすい
・よって特注がしやすい短所
・プラスチックの次に傷がつきやすい
・コケ取りの道具を選ばないと傷がつく
・プラスチック製の次に寿命が短い
・安売りされる機会があまりない
・粗悪品が売られていることがある(太陽光線によって細かいヒビ)
・薄い板で大型水槽を作ると水圧でたわみがでることがある
・直射日光による劣化がある<ガラス製> 長所
・3種のうちではもっとも傷がつきにくい
・よってコケ取りなどの掃除がしやすい
・3種のうちではもっとも寿命が長い
・60センチサイズぐらいまでならアクリル製より安価
・店頭に並んでいる種類が多い短所
・割れやすい
・3種の中でもっとも重い
・薄い青緑っぽい色がついてるガラスが多い
・厚い板が必要になる大型水槽では色が濃くなるといったところが主なところでしょう。
【色の問題】 (02.05.13追記)
買って来てから意外に問題になるのが、「色」です。
アクリルの場合、その厚さにも注意が必要ですが、同様に色にも気を払わなければいけません。変に安いアクアリル水槽の場合、なんとなく黄色がかった色であったり、緑色がかっていたりします。
このような色がついた水槽に水草を植えると、いまひとつきれいに見えません。
ガラス水槽の場合もアクリルの場合と同様です。質の悪いガラスが用いられている場合、水槽全体が青緑がかっています。このようなガラス水槽だと、水草はきれいに見えるのですが、赤色が特徴の魚などは、魅力を堪能しにくくなります。特にカメラで写真撮影したときには、水槽全体が緑がかって写ってしまいます。
したがって、水槽購入の際には、必ず色にも気を遣いましょう。「安い!」と思って飛びつくと、この「色」の問題で足をすくわれることがあります。
材質の色を判断したいときは、ガラスの断面を見るとよくわかります。正面からだと透明に見えるガラスなども、断面を見ると緑がかっているはずです。
アクリル水槽を正面から見たところです。
断面から、透明度の高いことがわかると
思います。耐久性はともかく、写真コンテ
ストに出すなど、瞬間的に綺麗な水景を
撮影したいなら、絶対にアクリル水槽が
お勧めです。オールガラス水槽を2つ並べて正面から
見たところです。
どちらの奥行きも30センチですが、左
側の水槽は安価なものです。ガラスの色
の濃いのがわかると思います。ただし、上の画像のように他の水槽と並
べて比較すればその色の濃さをはっきり
判断できますが、1つだけを単独で見る
と判断しにくいです。
この画像のように後ろからも光を当てれ
ば、色が薄いように見えます(これは上
の左側の水槽と同じ水槽です)。したがっ
て、“比較”して購入するのが確実です。【 私の意見 】
私の一番のお勧めはガラス製です。これはそれぞれの長所と短所を総合的に見ての判断です。
そして、例外的な場合は、アクリル製の水槽をお勧めします。プラスチック製のものは、短所が致命的過ぎてお勧めできません。アクリルを例外的にお勧めする場合は次の通りです。
・ ガラスで作ると高価になる150センチ以上の水槽を買う場合
(90や120だとガラスとの差が小さく微妙なところだと思います)
・ オーバーフロー構造にするなど何らかの加工が必要な場合
・ 耐久性はどうでもよいから透明度を重視したい場合
(特に、写真撮影をしたい場合、厚い板が必要な大型水槽の場合など)
・ ガラスで特注を頼むと割高になるサイズの水槽を買いたい場合
・ このサイトの趣旨とは離れますが、ガラスだと破壊の恐れがある大型魚飼育の場合
です。
● 水槽のデザインと構造
【全体の形状】
水槽の大半は立方体・正立方体ですが、そうでないものも存在します。特にプラスチック製の小型の水槽の中には、様々な形に成形された水槽があります。そのような変わった形の水槽を購入するときには、検討しなければことが2つあります。
1つは、観賞面です。水槽の外観を重視するのであれば、六角形や八角形の水槽はおもしろいです。しかし、水槽の中身を重視するのであれば、六角形や八角形の水槽では中身を観察しづらいです。
2つ目は、維持の面です。パチンコ店やホテルのロビーなどで、高さが人間の背丈以上の多角形水槽を見ることがあります。それらは、設置するとたいへん目立つので、空間を演出するには効果的なものです。しかし、維持はたいへんです。水槽を維持していれば、必ずガラス面にコケはつきますし、水草をトリミングする必要も出てきます。そのときに、背丈以上も高さがある水槽だと、どれほど手入れがたいへんかは、容易に想像できると思います。
したがって、変わった形の水槽の購入を考えるときは、最低でも以上の2点は検討に加えなければなりません。【前後面・側面】
以前は、前面と側面はガラスで背面はプラスチック製、というような水槽もありましたが、最近はほとんどの水槽が4面とも同じ材質でできていると思います。
したがって、水槽によって差があるのは、水槽の側面の4辺と上端のフチの形状だけです。水槽の側面同士の接着点である4辺に着目すると、現在販売されている水槽は、次に挙げるようなタイプに分かれます。
1.黒いフチ(縁)がついているタイプ
2.白あるいは半透明のフチがついているタイプ
3.フチ無しでシリコンボンドもほとんど目立たないタイプ
4.前面両端に曲げ加工がされていて前面両端の辺には継ぎ目がないタイプ
1.側面の4辺に黒いフチがある
タイプ2.側面の4辺に黒いフチがあり、
下辺のフチには飾りがあるタイプ。水槽をインテリアとして見る場合には、
このような装飾も良い。
しかし、このような水槽でADAの写真
コンテストにレイアウトを出品すると酷
評されるので要注意。3.白いフチがあるタイプ 4.フチ無しタイプ 5.前面の両脇が曲げガラス
になっているタイプどのタイプを選ぶかは、まったく「好み」によります。このあたりの選択は、みなさんそれぞれにこだわりがあるようですので、その意見の主なところを参考までに挙げておきます。
<1.黒いフチ有りタイプと、2.白・半透明のフチ有りタイプについての意見>
否: 両側に水景を遮るような黒や白の柱があるのは、美観を損ねる。
否: 黒や白い柱が水景の広がりを絶ち切ってしまう。
肯: フレームがあるからこそ水景が映える。特に黒いフチはGOOD。
肯: 特に黒いフチがると、水景がキリっと締まって見える。<3.フチ無しのタイプについての意見>
否: シリコンの接着面が少ない分、寿命に不安がある。
否: 水景と水槽の周囲との境目がはっきりせず水景に締まりがない。
肯: 自然の一部を切り取ったようなイメージに近い。
肯: 水景に広がりが感じられて、スケール感が出る。<4.前面両端が曲げガラスになっているタイプについての意見>
否: 両端にできる歪みの部分が多いので観賞しづらい。
否: 歪みの部分があると、水景が不自然に見える。
肯: 両端にフチがない分、水景に広がりが感じられる。
肯: 継ぎ目が少ない分、水漏れの危険性が小さくなる。
前面の両端が曲げガラスになっている
水槽(左)と、フチ無しの水槽(右)を並
べたところです。
左の水槽では、水槽の端が、わりと広
い幅で歪んで見えるのがわかると思い
ます。
右側のフチ無し水槽は、シリコンもほと
んど見えないタイプですが、ガラスの断
面は見えるので、それほど「フチ無し
は、水景に広がりがでてすばらしい!」
とは言えないと思います。以上の他に、前面が、一昔前のテレビの画面のように、前へせり出すように膨らんでいるタイプの水槽が存在します。このタイプの水槽には、前面の両端に枠があるものとないものの両方が存在します。
このタイプについての意見は以下のようになっています。
否: 前面が湾曲しているために水景の自然な姿を観察できない。
肯: せり出している分、水景に迫力と広がりが加わる。
【上端のフチ】
上端に黒いフチが有るタイプ | 上端にフチが無いタイプ |
水槽の上端のフチは、複数の働きをしています。1.側面の4面をつなぎ合わせることで水槽の強度を上げる働き
2.水槽のフタを支える働き
3.蛍光灯を載せやすくする働き
4.水槽の外観や水景の美観を高める働き
5.ガラスの上端をぶつけたときに保護する働き などです。しかし、この上端水槽の上側のフチは、水槽によって有るものと無いものがあります。すなわち、「上の5つの働きが不要であることを前提にしている水槽」です。
1.高性能のボンドを使うことで水槽の強度を十分に確保する
2.水槽のフタは載せない、あるいは簡易な器具のみで支えることを予定している
3.蛍光灯による損傷は無視する、あるいは蛍光灯以外の照明器具を予定している
4.フチが無い方が美観を高める、と考える
5.側面のガラスの上端をぶつけたときのことは考慮しないしたがって、逆から言えば、この5つの働きを考慮していないフチ無し水槽は危険、ということになります。
また、この「上端のフチ」がどうなっているか、という点は、水槽の維持スタイルと大きく関わるので重要です。
そこで、上記の5つの働きごとに、検討してみましょう。1.側面の4面をつなぎ合わせることで水槽の強度を上げる働き
フチが無いと、水槽の中の水が周りのガラス(アクリル)板を押し広げようとする力の大部分を、側面の4辺の継ぎ目ので支えなければならなくなります。さらに、フチ無し水槽の多くは、その4辺にもフチがなく、かつ接着している面積もたいへん小さいです。
したがって、現状、どれだけ強力なボンドが使用されていても、上端のフチ有り水槽に比べると、側面の継ぎ目4辺からの水漏れが多くなっているようです。
特に、水槽の上端のフチに引っ掛けるタイプの濾過器(「肩掛け式」「引っ掛け式」「外掛け式」などと呼ばれているタイプの濾過器)を使う場合、側面方向に余分に力がかかるので、水漏れの可能性が高くなるのは、当然と言えば当然でしょう。
よって、上端のフチが無い水槽の場合は、側面の4辺の耐久性に常に注意を払うことに加えて、引っ掛けるタイプの濾過器を使うスタイルはあまりお勧めできないです。
ただし、30センチぐらいまでの小さな水槽の場合、体積と側面積との関係上、かかる圧力は小さいので、それほど気を遣う必要はないですし、引っ掛けるタイプの濾過器を用いても、そう簡単には水漏れしません。2.水槽のフタを支える働き
フタを常用している人向けに、フチ無し水槽にもフタを支持するフックなどが付属、あるいは別売りされているのがふつうです。
しかし、そのようなフックは、実際に使用してみると、とても使いにくいです。
まずは、その不安定さです。水槽のフチの周囲にフックを引っ掛けて、いざガラスのフタを載せようとすると、けっこう慎重にしないとうまく載りません。ちょっとでも乱暴に載せると、フタが水槽のフチにぶつかってフタか水槽のどちらかが欠けますし、フックの位置やフタのどの辺から下ろすかなどにも気を払わないと、フタが水槽の中にボチャンと落ちてしまったりするものもあります。フタが水槽の中に落ちると、水草やレイアウトがダメになるだけでなく、ヘタをするとレイアウトの石に当ってフタが割れたり、水槽にヒビが入ったりします。
また、気密性も問題です。フタは、上に載せる蛍光灯に夜間に水滴がつかないようにする重要な役割をもっていますが、フックでフタを載せる方式の場合、フタと水槽の間に広い隙間が空くものが多いです。その隙間の幅は、水の蒸発で蛍光灯を傷めるのに十分な広さです。
したがって、上端のフチが無い水槽は、フタや蛍光灯を載せない維持スタイルにはピッタリですが、フタを載せて維持するスタイルに向いているとは言えないでしょう。3.蛍光灯を載せやすくする働き
上端のフチは、フタを支えるのと同時に蛍光灯を支える働きもしています。
蛍光灯をよく観察してみるとわかりますが、多くの蛍光灯の場合、載せたときに水槽と接する部分は「線」ではなく「点」になるはずです。蛍光灯のフチが、水槽のフチと交差するような形でいくつかの点で接する構造になっていると思います。すなわち、蛍光灯を水槽の上に載せる場合、水槽のフチには、「点」の形でわりと大きな力がかかります。
したがって、実際に載せて使っていると、少々乱暴に蛍光灯を載せたときに水槽のフチが欠けてしまうことがあります。
よって、蛍光灯を載せるときには慎重にするクセをつける、硬い素材の蛍光灯は使わないなどの気配りが必要でしょう。また、できれば、メタルハライドランプなどを使い、蛍光灯は使わない方が良いでしょう。4.水槽の外観や水景の美観を高める働き
この点は、水槽の維持スタイルに直結しますが、完全に「好み」の問題でしょう。
ヨーロッパの家庭にあるような家具調のキャビネットの中に水槽をはめ込んだり、逆にスチールアングルの上にポンと置いただけのシンプルなデザインで観賞したり、と、それぞれのスタイルごと、好みの外観を選べば良いと思います。
ちなみに、この視点から見てみると、ヨーロッパの家具調キャビネットなどは、「最大にフチをつけた水槽」と言えますね。5.ガラスの上端をぶつけたときに保護する働き
フチ無し水槽を使っていると、思っていたよりもよく水槽の上端の角をどこかにぶつけたり、逆に何かをぶつけたりすることが多いです。「私だけか」と思っていたのですが、最近、よくあちこちの掲示板でそのようなはなしを見かけます。どうも、フチがある水槽でも同じようにぶつけているがフチがあるのでそれほど気付かなかった、ということのようです。
フチ無し水槽で、上端の角が物とぶつかると、すぐに角が欠けます。驚くほど簡単に欠けます。そして、ヘタをすると側面全体が割れることもあります。
フチ無し水槽を使うときは、「水槽の角をぶつけない、角にものをぶつけない」といつも気をつけておかなかればなりません。特に注意が必要なのは、購入した水槽を最初に洗浄するときです。うっかり風呂場の床でこすったりすれば、すぐに角が欠けます。買ったばかりのまだ1回も使っていない水槽の角が欠けたら、情けなくて、ぜったい泣いてしまうと思います。泣いているところを子供になぐさめられたら、もっと情けなくなります。気をつけましょう。
水槽の欠けた角です。
このような欠け方ならまだマシです。
最悪の場合、側面が真っ二つになりま
す。
上端のフチについて、以上の他に留意しておくべきこととしては、以下のような点があります。
○ 上端のフチがあると、フチ無しの水槽に比べて、水槽内部の左右の上方がフチの影になって若干暗くなります。水草の育成にはあまり影響はありませんが、水景の明るさとしては気になる場合もあります。(情報提供:N・Oさん)
○ 古いタイプの水槽には、片側のフチが太くなっているものがあります。このタイプの水槽では、ガラスフタがフチの分だけ短くなるので、「ショートタイプ」あるいは「Sタイプ」などと呼ばれています(と言っても、最近ではショップでもあまり通じなくなってきていますが)。このタイプの場合、フチの影がさらに気になるかもしれません。
「NOA6」
○ 国産のものは、ほとんどすべてがプラスチック製のフチです。しかし、輸入物の水槽の中には、フチがエボナイトなどのものがあります。そのような水槽では、フチに何かを軽くぶつけたり、テープを貼ってはがしただけで、傷がいったり塗装がとれたりすることが多いです。
○ 低い場所に、フチ無し水槽を設置する場合、こどもがそのガラスの鋭利な角に頭をぶつける危険があります。
○ フチがある水槽の場合、フチの幅があるため、肩掛け式のフィルター(例えば、テトラのワンタッチフィルターOTや、ニッソーのアクアパルなど)を掛けられないことが多いです。肩掛け式のフィルターを使うつもりなら、フチ無しの水槽を選ぶのが安全です。
【素材の厚み】
大きな水槽を作ろうとすれば、それだけアクリルやガラスの板を厚くしないといけなくなるのは、感覚的にわかると思います。では、どれぐらい厚くする必要がでてくるのでしょうか。
実はこの点も、「体積と表面積の関係」に従うことになります(詳しくはこちらを参考にして下さい→「体積と表面積の関係を知る」)。
すなわち、水の量(体積)が大きくなればなるほど、水を支えている5面のアクリルやガラスの板の面積の体積に対する割合は小さくなっていきます。したがって、アクリルやガラス板の一定単位の面積が支えなければならない水の体積=重さはどんどん大きくなっていくわけです。このような関係があるため、水槽は大型のものになればなるほど、そのアクリル・ガラス板の厚さは急激に厚くなります。
よって、大型水槽になればなるほど、その素材であるアクリルやガラスの透明度は重要になります。少し色がついているだけの素材であっても、厚くなれば、その色は無視できなくなります。
この素材の厚みと色の問題に関しては、安価な大型水槽を購入するときに、とりわけ注意をする必要があります。
大型水槽は、上述の通り、特に素材の透明度と厚さが重要になります。したがって、メーカー側が、安直にコストを下げたければ、2つも方法があるわけです。1つは、透明度の低い素材を使う、もう1つは薄い板を使う、という方法です。
前者は店頭で販売している場合、すぐに気付かれてしまいますが、特注品として受けて後日納品する場合は使える方法です。
後者の場合は、店頭で売られていても、初心者の方の多くが気付きません。買って帰って水を入れてみて、水槽の側面が膨らんでいるのを発見して、そこではじめて気付くはずです。このようなことは、特にアクリル水槽の場合に多いです。水槽の前面を横から見ると、中年おやじのお腹のように、ぷっくりと膨らんでいます。アクリルの場合、柔軟性があるのですぐに接着がはずれたりすりようなことはないようですが、観賞上、あるいは精神衛生上、良くないです。
ちなみに、この「お腹ぷっくり」は、アクリルの場合、60センチ水槽でもあり得ます。【底面】
水槽の底面の素材と、構造もチェックする必要があります。底面の素材は、ガラス、アクリル、プラスチックのいずれかです。ただし、ガラスとプラスチックを重ねてある水槽も多いです。
底面の素材は、主に「強度」と「加工の容易さ」と「重量」の3つの視点から決定されます。
オーバーフロー式濾過にする場合、水槽の底面に穴を空けることが多いです。この場合、底面がガラスだと、穴を空けることはほぼ無理です。底面に穴を空ける以外のオーバーフロー式で対応しなければなりません。したがって、底面に穴を空ける必要がある場合は、ガラス以外の素材でできている水槽を購入しなければなりません。この点、プラスチックだと自分で簡単に工作できます。アクリルの場合、パイプに合わせて丸くくりぬくのが難しいです。アクリル水槽の専門ショップで穴を空けてもらうのが賢明でしょう。
逆にガラスでないと問題が起きやすいこともあります。60センチ超の水槽の場合、底面積が広い分、底面の中央が下方向へたわみやすくなります。それなのに、そこにプラスチックを使うと、たわみが大きくなってしまい、水槽の変形へつながってしまいます。したがって、60センチ超の水槽では、プラスチックよりも硬いアクアリルかガラスが使われるのが一般です。よって、小さいサイズの水槽では、底面がプラスチックのものが多く、60センチ水槽以上では、ガラスになっているものが多いです。そして、この他に、アクリルのものがあります。
底面がプラスチックの場合、メリットとしては、上述の“加工のしやすさ”の他に、アクアリルの底面とともに“割れにくさ”ということも挙げられます。
この点、底面がガラスの場合、その設置面に小さな砂粒が1つあっただけで割れてしまうことがあります。次に、底面の“割れにくさ”を構造の面から見てみましょう。
既述のように、プラスチックでできた底面は、中央がひずみやすいです。そこで、市販されている水槽では、その中央部のひずみやすい部分に下駄をはかせている(要するに“上げ底”)のが普通です(画像参照)。
製品によっては、下駄をはかせる構造ではなく、底面が設置面にべったりひっつくような構造のものもありますが、設置面の平滑さの影響を受けにくいことを考えれば、下駄をはかせている構造の方が安全だと思います。
45センチ以上のガラス水槽に多いのは、ガラスの下にプラスチックなどの樹脂が重ねてあるタイプです。ガラスとプラスチックの間に断熱・クッション材がはさんであるものもあります(画像参照)。このタイプの底面も、ふつうは上げ底になっていて、裏側に補強が入っています。加工はほとんど無理ですが、ガラスの強度があり、かつ、設置面の平滑度の影響を受けにくいため、もっとも安全な底面構造と言えるでしょう。
もっとも安全性が低いのは、設置面にベタっと底面が接触するタイプでしょう。アクリルやプラスチックならまだしも、ガラスが設置面に密着するのは、設置面の凹凸が直に水槽の歪みにつながるので水漏れの危険性が高くなります。したがって、このタイプを販売しているメーカーは、設置時に必ずクッション材を敷くように言っているはずです。
ちなみに、小さい水槽の場合はあまり気にする必要はなく、逆に大きな水槽ほど気にしないといけないのは当然です。
底面がプラスチックでできている水槽です。 小型の水槽に多いタイプです。 |
裏側を見ると、丸い脚をつけて水槽を設置面か ら浮かせながら支えている構造がわかります。 |
底面が、ガラス-クッション材-プラスチック の3層構造 になっているタイプです(60センチ水槽)。 |
裏側は、格子状に脚があり、底面を設置面から持ち 上げています。 |
こちらも、底面が、ガラス-クッション材-プラスチック の3層構造になっているタイプです(60センチ水槽)。 |
この水槽では、丸と線の組み合わせと周囲のフチに よって、底面と設置面との間に隙間を作っています。 |
● 耐久性 (02.06.29)
【耐久性(剛性+寿命)】
「水槽の耐久性」には2つの面があります。1つは「剛性」、もう1つは「寿命」です。
歪んだ水槽台で水槽に無理な力がかかってもすぐには割れないのは「剛性(強度)」の問題です。そしてその状態が長期間続いても水漏れしてこないのが「耐久性」の問題です。一般に「水槽の耐久性」として取り上げられる場合のほとんどは前者、すなわち「剛性」の問題です。
しかし、水槽を実際に維持していて問題になるのは、「寿命」の方です。水槽を設置してすぐに水が漏れてきたり割れたりしても、それなりに対処の仕方があります。ですから、「剛性」も大切なポイントですが、それほど気にする必要がありません。メーカーもそのあたりはテストしているはずです。
けれども、設置してから1年、2年と経ったある日、仕事で外に出ている間に水槽が大崩壊!なんていう事態が起きたら、その後いったいどんなことになるか・・・想像するだけで恐ろしいです。このような事態を避けるためには、水槽の耐久性を「剛性」という視点からだけでなく、「寿命」という視点からも検討することが不可欠です。【寿命】
さて、その「寿命」という視点から具体的な水槽を検討するとどうでしょう。
同じ強度のシリコンボンドを使って組み立てられたガラス水槽が2つあったとします。そして、片方には補強のために枠(フチ)を着けたとします。そうすると、この2つの水槽の寿命はどうなるでしょうか?<枠(フチ)の有無>
もちろん、補強の枠を着けた方が一般的に寿命が長くなりますよね。
そのように考えれば、フチ無し水槽が強度的に問題がなく寿命にも問題がないとしても、同レベルの材料と技術で作られた水槽同士では、フチ有り水槽の方が信頼度が高いと考えるが論理的です。<接着部分の傷み>
次にガラス水槽のガラス同士を接着しているシリコンボンドの寿命の問題です。これについて検討を加えている記述を今まで私は見たことがありませんが、これは重要なポイントのはずです。水漏れは、ガラスの真ん中に穴が空いて起きるわけではなく、シリコンボンドの部分から起きるのですから。
シリコンボンドは、時間の経過とともに、徐々にではあっても確実に劣化してきます。水中では水を吸って白くふやけますし、だんだん硬化していきます。
また、これが特に重要なのですが、水槽の中ではシリコンボンドがコケに侵食されて、少しずつ剥れてきます。この侵食が進むと、水漏れが発生し、水槽の寿命はそこで終わります。水槽の組み立てをやり直さなければなりません。ボンドで補修もできますが、他の部分も侵食されているはずなので、早晩、別の個所からも水漏れしてきます。
フチ無し水槽の前面右端の接着部分です。
使い始めてから7年ぐらい経った水槽ですが、コケがシリコンとガラスの間に入り込んできているのがわかると思います。また、シリコン部分の劣化は、トリミング時のピンセットや底砂掃除具の使用によっても起きます。特に、長いピンセットを使っている場合、知らず知らずに底床下にあるシリコンボンドの部分を傷つけてしまっている場合があります。何年か使っていると、その傷が増えたり深くなったりして、そこから漏れてくることがあります。
<傷の増加>
アクリル製やプラスチック製水槽でよく起きるのは、観賞に支障がでるほど傷が増えてくる問題です。
水槽を維持していると、必ずアクリル板(プラスチック板)にコケがついてきます。これを落とすには、塩化ビニルの定規やメラミンスポンジを使うのがふつうだと思いますが、長期間実行していると、アクリル板にだんだんと傷が増えてきます。最初はわからないレベルですが、5年6年と経ってくると、やはり気になってくるものです。研磨剤を使うことで傷を目立たなくすることも可能ですが、水槽の中身をいったん全部出さないといけないので、たいへんめんどうです。
したがって、この“傷が目立つようになってくる”という点で、アクリル製やプラスチック製の水槽にはどうしても不利な面があります。<変質>
アクリル製やプラスチック製水槽では、もう1つ耐久性に関わる問題があります。 それは、日光による変質です。
プラスチック製のものは、日光に当たると黄色く変色し脆くなってきます。直射日光に当はもちろん、間接光であっても長期間にわたるとやはり変色してきます。また、手でベタベタ触って脂をつけると、劣化がさらに早く進みます。
アクリル製のものは、日光に当たるとアクリルの中に細かな亀裂ができてきます。直射日光だと急速に進みます。ただし、間接光しか当たらない場合は、それほどひどくはならないです。
よくある質問
Q. 水槽は大きければ大きいほど水質が悪化しにくい、と聞いたのですが、それはなぜですか? A. それは、一部のみ正しい情報だと思います。
水槽は、大きくなればなるほど、その水量(体積)に対する表面積の割合が小さくなります(参照:「体積と表面積の関係を知る」)。すなわち、水槽は大きければ大きいほど、水槽の周りの空気と接しにくくなり、それだけ周りの空気の影響を受けにくくなるのです。
したがって、大きい水槽は、小さい水槽に比べて、夜間の冷え込みや昼間の暑さの影響を受けにくく、水温の変化が緩やかになります。これは、魚にとって良いことです。水温が急に変化すると、白点病などに罹りやすいからです。
一方、周りの空気に触れにくいと不利な点もあります。例えば水面から酸素の溶け込む量が少なくなります。また窒素の放散の量も少なくなります。
また、排出物によってできるアンモニアなどの“水の汚れ具合”については、誤解が多いですが、水槽が大きいからと言ってあまりメリットはありません。水量が多くても、魚をたくさん入れれば、小さな水槽と水質の悪化の仕方は同じです。水面での空気中とのガス交換量が少なくなる分、かえって不利かもしれません。
したがって、水温などの水質については、水槽が大きくなれば、それだけ表面積の体積に対する割合が小さくなるので、急変などの悪化が起きにくくなります。しかし、排泄物などによる水質悪化は、入れる生体の量次第であって、水槽の大きさはあまり関係がないと言えます。
Q. オールガラス水槽(フチ無し水槽)は、接着している面積が小さいようですが、耐久性に問題はないのでしょうか。 A. 確かに、一昔前は、フチ無し水槽=いわゆる「オールガラス水槽」には耐久性の問題があったようです。水漏れのはなしをよく聞きました。
しかし、現在は強力なシリコンボンドが開発されたそうで、簡単には水漏れするようなことはありません。大型水槽のフチに大きな肩掛け式フィルターを掛けるなどして、接着部分に無理な力を加えないかぎり心配いりません。
ただし、同じ強力ボンドを使い接着面を十分に確保して作ってあるフチ有り水槽と比較すれば、当然のことながら勝てるわけがありません。大きな水槽になればなるほど、接着部分が耐えなければならない重さは増していきますので、その耐久性の差は大きくなります。実際、オールガラス水槽(フチ無し水槽)での水漏れの話しは、60センチ水槽よりも、90センチ水槽でよく聞きます。
また、オールガラス水槽を通信販売などで購入した場合、輸送途中で水槽の取扱いに慣れていない人に乱暴に扱われるためか、ときどき水漏れすることがあるようです。そのために、水槽については販売リストに載せていない通販業者も多いようです。
そのような現状を考えれば、「普通に使う分には、耐久性に問題はない。ただし、フチ有り水槽と同じようにはいかない。」ということになろうかと思います。