水草水槽のセッティング4・・・上部フィルター編

セッティング
  


02.04.01


 

 ではここから、上部フィルターを使った水草水槽をセッティングする場合のポイントを見ていきたいと思います。(水草水槽のセッティングに必要とされる一般的な知識については省いてあります)

 

1.水槽を置く

 軽く洗った水槽を、適切な場所に設置しておいた適切な水槽台の上に載せますが、このとき、バックスクリーンに1つポイントがあります。
 水草水槽で使われるバックスクリーンでもっとも一般的な色は、おそらく「黒」だと思います。
 しかし、上部フィルターを用いる場合、水槽の後ろ半分には光が当りにくくなるので、黒よりは青や紺の方が明るく見えて良いです。

 

2.底床を敷く

 赤玉土や「アクアソイル」の場合は、洗わずに袋から出してそのまま使えます。
 底床に液肥や「イニシャルスティック」を敷いてから底床材を敷いても良いですが、その場合はセット直後のコケの発生量が多くなるので、初期の換水頻度を少し上げる必要がでてきます。
 私の場合は、いつも肥料などは敷かずに、いきなり赤玉土を袋からザーッと敷いてしまっています。

 

3.上部フィルターをセットする

 サーモスタットとヒーターは上部フィルターのセットが終わってからセットします。

(1) まず 濾過槽から水槽へ落下する水の勢いを緩める工夫をします。水流が強いと水草のレイアウトを崩してしまうからです。

 1つ目の工夫は落下口の上にフロートを浮かせることです。ピンポン玉を使うことが多いと思いますが、このとき、排水口にピンポン玉が吸いつけられて水の流れが止まってしまうことの無いように何らかの工夫をしておきます。斜めにカットしたごく短いパイプをつける方法などがあります。

「NSSO スライドフィルター600」の場合、純正のフロートがついています。

 2つ目は、落下口の下側にエルボーパイプをつけることです。ホームセンターなどで水道用のパイプが安く入手可能です。このエルボーの吹き出し口を、水槽の背面方向に向けておけば、水流が水草をなぎ倒すようなことを避けられます。「NSSO スライドフィルター600」の場合は、このエルボーも付属しています。

(2) 次に、濾材を濾過槽にセットします。

 最初に「エーハイ サブストラット」などを水で軽くすすいでおきます。このとき、もし入手可能であれば、普通の水ではなく、他の調子の良い水槽の濾材のしぼり汁や飼育水ですすぎます。そうした方が、濾過バクテリアの確保までの時間が格段に短くなるからです。

 そして、まず「エーハイ サブストラット」などを、ネットに入れて濾過槽の下に平らに敷きます。ネットは100円ショップで買える洗濯用ネットでも良いですし、奥様の網タイツでも良いです。
 その上に化繊のウールを広げて敷きます。ウールは、上に載るシャワートレイがやや持ち上がり気味になるぐらいの厚さで、隅々まで広げて敷きます。こうしておくと、シャワートレイから水が落下することがなくなり水が空気に曝されにくくなるのでCO2の放失を抑えることができます。

右画像のように、濾過の中心となる濾材を下に、そしてゴミを漉しつつ分解を行う化繊ウールを上に敷き、全体として2層になるようにセットします。
(今回は網タイツが無かったので、パンストで我慢しました。)

 

(3) 濾材がセットできたら、モーターをとりつけます。

 モーターの下側にとりつけられる「ストレーナー」と呼ばれるパイプ部分は、買ってきたそのままの長さだと、底床につかえてしまう場合があります。また、あまり底床に近いところに水の吸込み口がきてしまうと、土を吸い込み易くなってしまいます。
 したがって、状態を見て、ストレーナーを短くします。ストレーナーはノコギリで簡単に切れます。

上側が元からついてきた部品の長さです。
これをノコギリで切って下側ぐらいの長さにします。
こんな感じで組み立てることになります。

 

5.サーモスタットとヒーターをセットする

 サーモスタットとヒーターを、付属の説明書に従ってセットします。
 フィルターの隅に、穴がありますので、そこにヒーターとサーモスタットのセンサー部を通して水槽の中へ引き込むと、電気線がじゃまになりません。

 

6.水を注ぐ

 器具のセットが終わったら、水槽に水を注ぎます。

 底床材は最初に水槽に入れられる水を精一杯吸い込みます。すなわち、最初に注ぎ込む水がこの後の水槽の立ち上がりに大きく影響するのです。
 そこで、最初に注ぎ込む水は、できることなら他の調子の良い水槽の濾過材のしぼり汁や、その水槽の飼育水がのぞましいです。バクテリアをふんだんに含んだ水が、新しい土の粒1つ1つの奥まで染み込んでいくからです。

 バクテリアを含んだ水を注いだら、2時間ぐらい静置して水が染み込むのを待った方が良いです。

 静置したのちは、いったん、塩素を中和または除去した適切な温度の水を水槽いっぱいまで注ぎます。このととき、土に含まれていたゴミがたくさん浮いてくるはずなので、これを魚掬い網を使って取り除きます。

 そして、その水をいったん全て捨てます。

 そして、再び塩素中和した適切な温度の水を水槽いっぱいに注ぎ込みます。
 このとき、あまりにも濁りがひどい場合は、また排水して注ぎ直します。
 ただし、あまり換水が多いと最初のバクテリア水を染み込ませたことが無駄になってしまいますので、換水はできるだけしない方が良いと思います。

これで「セット完了」です。

 

 



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