■GOOD AQUA■

水草水槽に関する書籍〜その4


-- その他(雑誌 / 水質 等) --


02.02.02〜作成、03.03.23〜再編


 

■ 水質に関する基礎知識

「 水質検査と水質管理 正しい水の調べ方 新版 」

ワーナー・ランバート(株)テトラ・ジャパン事業部
 (新版)1990 34p 200円(別) リーフレット B5 ISBN(なし)

 
 
 水槽の水についての基礎知識が一通り収められているリーフレットです。

● 構成 : 前後の広告のページを除いて全編白黒ページです。pHや硬度、それぞれの相関関係などが解説されています。

● GOOD : 
・ 薄いリーフレットですが、これを読めば水槽の水の変化のしくみや相関関係について基礎的な知識がすべて身に着くぐらいの内容です。
・ 図表がふんだんに使われていて理解しやすくなっています。

● NO GOOD :
・ 仕方がないことですが、内容がすべて「だからテトラの試薬で測ってみましょう」という結論になっていて“客観性に欠けると”いう難点があります。

● コメント
 水槽水の中で起きている化学的な変化については、解説しているアクア本が少ないため知識の入手に苦労しておられる方が多いと思いますが、これはその点を解説してくれている数少ない本のうちの1冊です。これの他には、「水草百科」の巻末の解説ぐらいしかないと思います。
 水槽の水の状態を知る指標として私たちは「pH」や「GH」などを使いますが、この本では、たとえば「pH試薬で何を測っているのか」、「測ることで何がわかるのか」、「どう手当すれば良いのか」をしっかり解説してくれています。
 したがってこのあたりの基礎知識に不安がある場合は必読ではないでしょうか。ただし今は入手が難しいかもしれません。もともとショップでしか手に入らないリーフレットですし、以前はどこのショップに行っても置いてあったのですが最近は見かけなくなってしまっています。もしショップで見かけたら、ぜひ手にとってみて下さい。
 

 

■ 水質に関する基礎知識

ネイチャーアクアリウム・ハンドブック.1 水の調べ方 水槽内の“水”その調べ方と管理方法

編:ADA研究開発部 初版1996 (株)アクアデザインアマノ
98円(別) リーフレット B5 30p ISBN(なし)

 

 
 水槽の水についてのおおまかな解説本です。

● 構成 :  前後の見開き計6ページを除き全編白黒ページです。pHや硬度、それぞれの相関関係などが解説されています。

● GOOD :
・ ややこしい化学式を一切使わずに説明してあるので化学が苦手な人にも分かりやすいと思います。
・ フローチャートで水質の測定結果に対する手当ての仕方までが説明されています。

● NO GOOD :
・ 「水質のことについてもっと知りたい」という要求があって購入した人にとっては内容的に期待外れかもしれません。説明が大雑把過ぎるように感じました。
・ 中に「測ると何がわかるか」という項目があるのですが、その欄にはなぜかそれ以外のことが書かれています。

● コメント : 
 テトラの「正しい水の調べ方」の“ADA版”といった感じのリーフレットです。テトラのものと比べると、「値段は半分だけれど中身の濃さも半分」という印象を受けました。
 “だれにでもわかるように”という方針で作られたのだと思いますが、化学式などは一切出てきません。したがって、分かりやすいのですい反面、水槽の水質の変化の具体的なしくみについては読んでもほとんど知ることができませんでした。私は化学的なアプローチを含めて水質変化のしくみについて詳しく知りたいと思って購入したのですが、その要求に応えてくれるような内容ではありませんでした。
 ADAの販売している試薬類のラインナップ、その有用性については充実した記述になっているので、そういったことを知りたいと思っておられる方には良い本かもしれません。
 

 

■ 月刊誌(最新情報の取得用)

「 フィッシュマガジン」

緑書房 毎月11日発売 920円前後(込)
1965創刊 A4 200p前後 並製本

 

'04年9月号

 
 「定番中の定番」と言えるアクア雑誌です。ネット上では、よく「FM」と略して表記されます。
 名前は「FISH MAGAZINE」ですが、ザリガニや海水魚・爬虫類・昆虫などに関する記事も載っています。
 記事の内容は、何年か周期で専門的になったり基本的になったりしますが、概して言うと、「いろいろ」です。初心者向けの記事もあれば、マニア向けの記事もあります。

● 構成 : カラーページと白黒ページの混在で、複数の特集記事と複数の連載記事が収められています。

● NO GOOD :
・ 企業の宣伝公告ページが多いです。
・ 記事内容に企業の宣伝公告に添ったものが含まれていることがあります。また、客観的な視点からの用品の評価記事がほとんど無いです。
・ 熱帯魚や水草に限らず様々なものが取り上げられているために、かえってどれも中途半端な内容という印象を受けます。
・ 最近は“特別定価”として高い価格で売られている月が多く、通常定価で買えることは少ないように感じます。

● GOOD :
・ 新製品や新着種の情報を得ることができる貴重な情報源となってくれます。
・ 専門家が書いた掘り下げた内容の詳しい記事に触れることができます。
・ 熱帯魚業界の動向がうかがえます。
・ 熱帯魚だけでなく、クワガタやヘビなどを合わせて飼っている者にとっては、いろんな記事が1冊で読めてありがたい本です。

● コメント:
 この下に載せている2誌を含めた定番3誌の中で、もっとも古くからある雑誌です。
 内容的には「アクアライフ」とよく似ています。「アクアライフ」同様「月刊誌」ということで、毎月読んでいれば常に新しい情報が得られます。 また、その道の第一線の専門家の記事が多く載る点でもお勧めの雑誌です。
 書店とショップの両方で手に入れることができます。
 

 

■ 月刊誌(最新情報の取得)

「 月刊アクアライフ 」

マリン企画 毎月11日発売 通常880円(込)
1979創刊 A4 200p前後 並製本

 

'04年9月号

 
 「フィッシュマガジン」に続く第2の定番月刊誌です。ネット上ではよく略して「AL」と表記されます。
 記事の内容は、初心者向けからマニア向けまで様々です。また記事のレベルも、投稿ものから専門家が書かれた科学的なものまでいろいろです。
 海水魚・爬虫類・昆虫などに関する記事も少し載っていますが、あくまで熱帯魚と水草がメインを占めています。

● 構成 : カラーページと白黒ページの混在で、複数の特集記事と複数の連載記事が収められています。

● NO GOOD :
・ 企業の宣伝公告ページが多いです。
・ 記事内容に企業の宣伝公告に添ったものが含まれていることがあります。また、客観的な視点からの用品の評価記事がほとんど無いです。
・ 熱帯魚や水草に限らず様々なものが取り上げられているために、かえってどれも中途半端な内容という印象を受けます。

● GOOD :
・ 新製品や新着種の情報を得ることができる貴重な情報源となってくれます。
・ 専門家が書いた掘り下げた内容の詳しい記事に触れることができます。
・ 熱帯魚業界の動向がうかがえます。

■ コメント:
 「フィッシュマガジン」とライバル関係にあるのか、本の体裁・内容とも、よく似ています。
 両者とも、月刊誌ということで、新しい情報を得るのに最適な本です。したがって、アクアリウムの入門書と図鑑の2つに加えて、この2誌のどちらかを定期購読していれば、基本的な情報は一通り得られるはずです。
 また、魚や水草を1種1種取り上げて詳しく解説してあることが多いので、よりつっこんだ情報を得ることもできます。
 書店とショップの両方で手に入れることができます。
 

 

■ 月刊誌(最新情報の取得)

「 楽しい熱帯魚 」

白夜書房 毎月11日発売 通常720円(込) 1995創刊
21×25.6cm 120p前後 並製本 ホッチキス留め

 

'04年9月号

 
 '95年に創刊された月刊誌です。一般に「らくねつ」と呼ばれています。水草水槽についての記事が多いです。
 読者対象としては初心者をメインにしているようで、記事は基本的・基礎的なものが中心となっています。

● 構成 : カラー刷りページと1色刷りページが半々ぐらいで、様々な記事が載っています。

● GOOD :
・ 初心者が疑問に思うであろうことを、ひとつひとつ丁寧に拾い上げてくれている記事が多いです。
・ 水草の手入れの仕方など具体的な作業手順を、写真をたくさん用いることで分かりやすく説明している記事も多いです。

● NO GOOD :
・ 初心者向けの記事がほとんどなので、1年、2年と買い続けていると内容に対して物足りなくなる可能性が高いと思います。
・ 値段のわりに薄くてページ数が少ない上に企業公告に多くのページがさかれています。
・ アクアリウム用品の取り上げ方や紹介の仕方に偏りがあります。また、用品をユーザー側からの客観的な視点で評価している記事がほとんどありません。
・ 本の背中を留めているホッチキスの部分からすぐに破れてくるので「繰り返し読む」のが難しいです。

● コメント :
 写真画像を惜しみなく使っている記事が多く、まさに「手取り足取り」という感じの記事の多い雑誌です。アクアリウム、特に水草水槽を始めたばかりの人が定期購読すればとても役に立つ情報源になってくれるはずです。水槽の設置や手入れの方法についてこの雑誌ほど具体的にしっかり解説してくれている本や雑誌は他にないように思います。
 この趣味の世界では、初心者のうちの1〜2年はこの雑誌を買い次に「フィッシュマガジン」や「アクアライフ」へ購入を切り換える、といった読み方をしている人が多いように感じます。
 楽熱は長く買い続けていると、「またこの内容か・・・」という記事がいくつも出てきます。 また、企業公告のページが多いのには閉口させられます。 ただし、通販の公告が多く含まれているので、アクアリウム用品の価格の動向や底値を知ることができる、という利点はあります。
 この本は書店とショップの両方で売られています。「フィッシュマガジン」「アクアライフ」に続く第3の定番雑誌と言えるでしょう。
 初心者の方にはお勧めです。
 

 

■ ADAの情報誌 

「 熱帯水族館ADAだより 季刊 水族譚 」

1990 リーフレット B5 アクアデザイン・アマノ 定価(不明)

 

第二号
 

 
● 構成 :
・ 16ページぐらいの光沢紙にモノクロの印刷がされています。今の「AQUA JOURNAL」の前身にあたるようなものかも知れません。
・ 中は、「水草座談会 アクアリスト VS ADA」、「ネイチャーアクアリウム 水草使用ランキングBEST10」、「リレーエッセイ」、「スーパーアクアリストINTERVIEW」、「The Q&A」という構成になっています。

● コメント :
・  創刊から1年経たずに廃刊になった季刊のリーフレットです。
・ 今となっては、私がどうやって入手したのかもよく思い出せませんが、おそらく、ADA製品のカタログを送ってもらったときに同封されていたのだと思います。 第一号も持っていたと思うのですがどこかにやってしまって今は見つからないです。大切にとっておけば良かったです。
・ この頃の天野氏の考え方が色濃くあらわれた記事がおもしろいです。
  何号まで出たのかがわからないので、もしどなたか詳細をご存知の方がいらしゃいましたらぜひ教えてください。  

 

■ 「ネイチャーアクアリウム」に関する月刊誌

「 AQUA JOURNAL 」

1994創刊 毎月末発売 50-60p.程度
(株)アクアデザインアマノ 500円(込) 並製本 29.7×22.4cm

 

vol.107

 
● 「ネイチャーアクアリウム」に関する月刊の情報誌です。
 
● 構成 :
 本の前半はカラーページになっているのですが、掲載されている写真がみな美しいです。巻末に近い部分は白黒ページになっていて、毎号さまざまな記事が載っています。

● GOOD :
・  毎月一定のテーマをもって編集されています。たとえば、「石組レイアウト」、「クリプトコリネ」、「ネイチャーアクアリウムに関するQ&A」といったようなテーマの掲げ方になっています。
・ 私の場合、自分が興味のあるテーマが取り上げられているときのみ購入していますが、初心者の方なら1年ぐらい続けて購入されることをお勧めします。そうすることで、水草水槽についての基本的な知識が一通り身につくはずです。

● NO GOOD :
・掲載されている記事の中には、専門家の方からみれば「?」な内容も一部含まれているといったことをたまに聞きます。丸のみせずに専門書などで裏付けをとったりした方がよさそうです。

● コメント : 
・ vol.60まで発行されたところでいったん発行が終えられ、「SUIKEI」と「Do!aqua」の2誌の発行に切りかえられましたが、再びこの「AQUA JOURNAL」の発行に戻されたようです。
・ 再刊された「AQUA JOURNAL」は、以前のものと比べると、初心者向けの内容が増えたように感じます。
・ ADA製品の特徴や使い方、ADAの水槽維持の方法論など、 「ネイチャーアクアリウム」についての情報が豊富なので、「ネイチャーアクアリウム」を実践される方は必読の月刊誌でしょう。

 

■ 「ネイチャーアクアリウム」の周辺の情報

「 SUIKEI 」

1999-2000 130p.前後 (株)アクアデザインアマノ
1500円(込) 並製本 A4

  

vol.3

 
● 構成 :
 水槽内の写真に加えて庭園や河川など自然の風景写真が豊富に収められていて、 全体の4/5程度がカラーページ、1/5が白黒ページになっています。

● GOOD :
・ 水槽のレイアウトばかりでなく、アマゾンの森林や日本庭園の風景など、自分でレイアウトを考える際にヒントになってくれそうな写真がふんだんに載っています。

● コメント : 
・ 「AQUA JOURNAL」の発行が止まっていた時期に3号だけ出た季刊誌です。それまでの「AQUA JOURNAL」の写真集的な部分だけを切り離して充実させたような内容になっています。
・ 値段は高めですが、それだけの価値がある内容だと思います。

 

■ 月刊誌(最新情報の取得)

「 アクアウェーヴ 」

隔月刊 1997創刊 270P.前後 (株)ピーシーズ
1143円(別) 並製本 A4

 

No.21

 
● 構成 :
 カラーページと白黒ページの混在で、複数の特集記事と複数の連載記事が収められています。

● GOOD :
・ 美しい写真が多数あり、どのページに載っている写真にも撮影者のこだわりが感じられます。また、原産地で撮影された写真が多いのもこの雑誌の特徴の1つでしょう。
・ 他の雑誌では取り上げられることがないようなマニアックな特集がときどきあります。それが読みたくて買う方も多いと思います。私もそうです。

● NO GOOD :
・ ただし、記事ごと、あるいは号ごとに「あたりはずれ」が大きいのもこの「アクアウェーブ」の特徴だと思います。専門家が書いたアカデミックな記事もあれば、主語と述語の対応さえできていない支離滅裂な記事が載っていたりもします。また、自分にとって興味のある記事が入っていれば良いですが、そうでないときは「買っても読むところがほとんどない」なんてことを経験したこともあります。
 したがって、店頭でページをパラパラとめくって自分の読みたいところが多ければ買う、というのが良いと思うのですが
、最近はビニールを被せて売られるようになっていて買う前に中身の確認ができなくなりました。
よって、私は最近この本を買っていません。表紙に書かれた各記事のタイトルから中身を推測して買うしかないでしょうけど、すうすると、買ってから「あ〜、やられたぁ・・・」ということも・・。

● コメント :
 淡水熱帯魚についての記事が多いですが、海水魚、クワガタ、カメ、金魚などの記事も含まれている季刊誌です。1997年に創刊されましたが、1999年は一冊も発刊がありませんでした。その後2000年の第10号で再開され、そして現在に至っています。 
 

 

■水草に重点を置いた季刊誌(廃刊)

「 アクア エントゥ 」

季刊 1991-1996 約1100p. (株)シーゲル
1456円(別) 並製本 A4

 

 

 
● コメント : 
・ 15号まで刊行されて廃刊となった季刊誌です。 基本的に水草水槽に関する記事で構成されていて、ディスカスの記事が一部入っています。
・ 内容は、「FMやALの水草に関する記事だけを抜き出してそこへ最近アクア系のサイトで見られるような内容を足した感じ」といった本です。全体にわたって、“クラブの会報誌”といった雰囲気のある雑誌です。
・ 個人で設置しているアクアサイトのように、わりとてきとーな情報も載っていますし、一方で、水草の世界では名の知れた方々の内容の濃い寄稿も多く、この本でしか仕入れられない情報もたくさん入っています。
・ 当時、この本はユーザー側からの視点が強く出ていたところが異色でした。しかし、今はネットが発達してユーザー側~から容易に情報を発信できるようになりました。したがって、この本の存在した意義は大きいものの、残念ながら内容的には陳腐化してしまった気がします。
・ 古書店でよく見かけます。見つけたら読んでみて下さい。当時のアクア事情を考えながら読めば面白いはずです。


 

 

■ アクアリウムとアクアリストについての考察

「 水中楽園 」

1993.08.08 208p. ぶんか社 JIMMY・A・及川 2427円(別)
並製本 カバー付 258*150mm ISBN4-8211-0481-4

 

 

 
● 構成 :
 白黒ページとカラーページが混在。“ぱっと覚えてしまおうワシントン条約”、“一週間でマニアになる方法”、“知っても得しない余計な雑学”、“オタクのお宅拝見”といったタイトルの記事が15ほど詰まっています。

● コメント :
 “アクアリウムの本”というよりも、“アクアリストの本”です。
  魚や水草の育て方ついてもある程度ページが割かれていますが、多くのページが、アクアリストについての考察やアクアリウムの周辺(ショップなど)の話題となっています。
 この本を読んで水槽キーパーとしての腕を上げるのは厳しいかもしれませんが、読み物としてはとても面白い1冊だと思います。特に“一週間でマニアになる方法”や“魚のタイプ別マニア徹底研究”といった部分は冷静な第三者の目からアクアリストが分析されているので、自分や周りの人に当てはめながら読むとけっこう楽しめると思います。
   



■ 水草と水草水槽に関する年刊誌

「 アクアプランツ 2004 月刊アクアライフ4月号別冊

(株)エムピージェー発行/(株)マリン企画発売
年刊 2004.04〜 120p.程度 980円 A4 並製本
ISBN(なし)

 

No.02
 

 
 『アクアライフ』の別冊として2004年4月に創刊されたばかりの新しい雑誌です。名前の通り水草の専門誌で年1回ペースで発行されています。

● 構成 :
 白黒ページとカラーページの混合構成で、水草と水草水槽に関わる情報が色々載っています。


● コメント :
・ 第1号は内容的に特筆できるものがあるとは思えませんでしたが、第2号はとても良い出来だと思いました。どの本でもまだ取り上げられていないテーマに意欲的に取り組んであり、たいへん興味深く読むことができました。
  初心者の方にはどうかと思いますが、マニアックな世界に足を踏み入れている方にはお勧めの本です。





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