■GOOD AQUA■

水草水槽に関する書籍〜その1


-- 入門書類 / 熱帯魚関係 --


02.02.02〜作成、03.03.23〜再編


 

■ アクアリウムの入門書(熱帯魚・水草図鑑 & 育成方法など)

月刊フィッシュマガジン2月号別冊 新熱帯魚入門 全面改訂・大増補版

緑書房フィッシュマガジン編集部制作 緑書房 1997.2.10改訂版1刷
2800円(込) A4 522p 並製本 ISBN(なし)

 

改訂版 1997


旧版 1989
 

 
 熱帯魚1000種・水草100種のカラー写真・学名・特徴・飼育上のポイントなど様々な情報が詰まっているアクアリウム入門書。

● 構成 :
 魚と水草のカラー写真が全体の2/6、種類ごとの育成方法の解説が3/6ぐらい、残りの部分には公告がほとんどですが、原生地の様子、魚病・寄生虫、水槽内のしくみ、水質、飼育器具、水槽の設置・維持方法などに関する情報が含まれてます。

● GOOD :
・ 収録されている種類数が多いです。
・ それぞれにワンポイント解説がつけられています。
・ アクアリウム全般についての基礎的な情報を一通り網羅しています。

● NO GOOD :
・ 1997年の出版なので最近流通し始めたような種類は載っていないです。したがって必要があればその部分を月刊誌など他の情報源で補わなければならないでしょう。
・ それぞれの種についての解説が後ろの白黒ページにかためて載せられているため、カラー写真を見ながら解説を読みたい場合にはページをバタバタめくってあっちとこっちを交互に見なければならず、はっきり言って読みにくいです。
・ 水槽の設置や維持についての説明に、現在の水槽の主流からズレている記述が含まれています。例えば水槽のセットの仕方の例として挙げられているのが底面濾過方式だったりします。

● コメント :
 内容の充実度を総合的に見ると、多数ある同種の本の中で、最も良くできていると私は思います。水草や水草水槽についての本ではありませんが、「アクアリウムの入門書」として、私は一番にお勧めします。アクアリウム全般について基礎的な知識を仕入れるのに最適だと思います。ネット上で、いろいろな方法論の断片的な知識を集めるよりも、この本1冊を持つ方がはるかに腕が上がるはずです。「買って良かった」と思える1冊だと思います。
 

 

■ アクアリウムの入門書(熱帯魚・水草図鑑 & 育成方法など)

月刊アクアライフ3月号増刊 はじめての熱帯魚 」

マリン企画 800円(別) 2003.3.25 144p
並製本A4 ISBN(なし)

  

 

 
 上の「月刊フィッシュマガジン」の別冊に対して、こちらは「月刊アクアライフ」の別冊のアクアリム入門書です。以前出されていた「新アクアライフ入門」の全面改訂版のようです。最近出版されたばかりの新しい本です。

● 構成 :
 様々な内容が少しずつ収録されています。飼育者のお宅訪問、熱帯魚の原産地情報、水槽のセット方法、維持方法、器具の知識、熱帯魚・水草図鑑、魚種ごとの飼育方法、水草水槽のセット方法、水草の育成方法などが収められています。

● GOOD :
・ 熱帯魚と水草の両方についての基礎知識を身につけることがきる本です。
 上の「新熱帯魚入門」がほぼ熱帯魚メインの内容になっているのに対し、こちらは水草にも重点がおかれています。水槽のセット方法も、水草水槽が熱帯魚水槽と別に分けて解説されています。
・ したがって、水草と熱帯魚の両方を収容する水草水槽の“入門書”としては、「新熱帯魚入門」よりこちらの方が良いかもしれません。
・ 水草については、トリミングの仕方やレイアウトの構想の仕方など、具体的かつ実践的な内容が多いです。

● NO GOOD :
・ ページ数が少ないにもかかわらず色々な内容が詰め込まれています。したがってこの本だけだと実際に水槽を維持するための知識が基礎的なことに限ってもそろわない可能性もあります(例えば、セット方法の解説で大磯砂を酸処理せずに敷いている)。
・ 無茶な解説(例えば、水槽セット後2〜3日したから魚を入れるのが通常、としていたりする)も散見されるのが残念です。

● コメント :
 短所はあるものの、“入門書”としては適度なページ数で読み易いように思います。基礎的な知識もそれなりに吸収できますし。
 ただし、この本だけだとすぐに知識の不足を感じるはずなので、この本に書いてあることを理解して覚えたら、早い時期に他の詳しい本で知識の補充をした方が良いと思います。図鑑部分に限っても、掲載種数が少ないのですぐにもっと分厚い本が欲しくなるはずです。
 

 

■ アクアリウムの入門書(熱帯魚・水草図鑑 & 育成方法など)

ピーシーズ版 アクアリウム入門 」

ピーシーズ 1845円(別) 初版1994.10 404p
並製本A4 ISBN4-4-938780-05-4

 

 
名前の通りピーシーズ社が編集したアクアリムの入門書。アクアリウムについての基本的な知識が一通り詰め込まれています。

● 構成 :
 熱帯魚と水草のカラーページの図鑑部分と、その育成方法、水槽の設置方法が中心になっています。

● GOOD :
・ 図鑑部分に載っている魚や水草の画像がたいへん美しく、1枚1枚に撮影者のこだわりが感じられます。
・ また、初めて水槽を設置する人にとってとても親切な解説・構成になっています。

● NO GOOD :
・ ただ、先行の緑書房発行「新熱帯魚入門」を意識したのか、たいへんよく似た構成になっています。ギア(道具)についての検討、熱帯魚の混泳についての考察など、この本独自の部分も多いけれど、魚種グループごとの飼育方法解説などは、残念ながら平凡な出来だと思います。

● コメント :
 緑書房のものも、このピーシーズのものも、どちらも良い本だとは思いますが、私は総合的な出来の良さで緑書房の「新熱帯魚入門」の方に軍配をあげます。
 

 

■ 熱帯魚図鑑

増補改定版 熱帯魚決定版大図鑑 」

小林道信・森文俊 2005.4.1 (株)世界文化社 512p.
9975(込) 上製本 B5 ISBN 4-418-05901-6

旧版 「 熱帯魚決定版大図鑑 」
小林道信・森文俊 初版1995.10.10 (株)世界文化社 432p.
9223円(別) 上製本 B5 ISBN4-418-95408-2

 

増補改定版


旧版 

 
増補改訂版:

  全512ページになり、主に大型魚と古代魚そして水槽のセッティング事例の3つが増補されました。掲載魚種は1080種から少し増えて1200種強に。
● 構成 :
 全432ページのうち400ページがカラーページとなっており、 そこに約1080種の画像と、分布や体長・外見上の特徴・性質などについての短いコメントがついています。
・ 巻末の白黒ページは熱帯魚飼育に関する概説になっています。

● GOOD :
 どの魚種も写真が美しいです。魚種ごとの特徴がうまくとらえられていて、ピントも魚の目にきっちりと合っています。加えて印刷も上質なので更に綺麗です。

● NO GOOD :
 掲載されている魚種数と比較すると少し高価なのが難点でしょうか。「2300ATLAS」が2000魚種を収録して3800円なのを考えれば、本の作りがしっかりしている点を割り引いても高い印象を受けてしまいます。

● コメント :
 他の図鑑の類と比べるとコメントが少し詳しいのですが図鑑としては肝心の掲載種数があまり変わらないので、購入すべきかどうか迷うところではないでしょうか。お小遣いに余裕があれば購入、ということで。
 

 

■ 熱帯魚の病気と治療方法

知っておきたい 魚の病気と治療 」

(旧デザイン)1991 64p. 日本動物薬品(株)
畑井喜司雄 小川和夫 柴田俊幸 951円(別) A5 ISBN(なし)

  

新デザイン


旧デザイン

 
● 構成 : 
 金魚・錦鯉・熱帯魚のそれぞれについて、罹りやすい病気の種類・治療薬・治療方法などが載っています。

● GOOD :
・ 発症例の写真とともに典型的な症状・原因・対策が分けて書かれているので、調べやすく、かつ、どうすれば良いのかが分かりやすくなっています。
・ また、疾病の分類と対応する薬剤の情報など、魚の病気に対する基礎的な知識を学ぶことができます。

● NO GOOD :
 発行しているのが日本動物薬品なので、紹介されている具体的な治療薬は、もちろん日本動物薬品のものだけで、他社の薬品については言及されていません。ただ、どの病原にはどの成分が効くかが載っているので、その成分を含んだ他社の薬品を熱帯魚ショップの店頭で選ぶということは可能なので、あまり気にはならないと思います。

● コメント : 
・ 鑑賞魚の病気と治療についてまとまっている本は高価なものがほとんどで、廉価版としてはこの本しか無いと思います。
 この本は廉価版ながらとても良くできており、これさえ持っていれば水草水槽で魚が罹る病気のほとんどに対応できるはずです。必携。
・ また、この本ほど詳しくはありませんが、日動のサイトにも病気治療の方法が載っています。
 こちら→日本動物薬品
・ また、「新熱帯魚入門」にもどの病気にどのような薬品成分が効くかが一覧で載っています。なので、そちらの一覧の情報を基に同じ成分の薬品を店頭で選ぶという手も考えられます。ただし、この場合は治療にあたっての手順などの情報が足りないかもしれません。
 手間を考えれば、この「知っておきたい〜」を1冊手元に置いておく方が良いと思います。
 

 

 



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