■GOOD AQUA■
アクアリウムの不確実性2
03.10.22
3.水槽の立ち上がり方の違い その2前稿の<水槽の立ち上がり方の違い その1>では、同じ条件で設置した水槽を見ました。→
ただ、同じ条件とは言っても、底床材や照明、フィルターといった器具がいくつもついていました。すなわち、2つの水槽を同じように立ち上げたつもりであっても、フィルターの設置の仕方や器具の微妙な角度の違いなどが環境条件に影響を及ぼしていたことも考えられるわけです。
そこで、「そういった要素を極力減らしシンプルな条件にして立ち上がり方を比較してみるとどうなるだろうか」と考え、比較したのが次の水槽です。容器の中には水・エビ・魚・マツモの4つしか入れませんでした。
(1)設置
容器として使ったのは、「ダイエット ペプシ 1.5L」のペットボトルです。
続けざまに5本飲むのは厳しそうだったので、あえて「ダイエット」を選んでみましたが、意味ありませんでした。 ゲフッ同じサイズ、同じ長さのマツモと板鉛を用意。→
←板鉛を折ってマツモに巻きつけます。 ペットボトルそれぞれに、同腹で同サイズのエンドラーズのメスを1匹ずつ、同じサイズのミナミヌマエビを1匹ずつ、それにマツモを入れて設置です。水は栄養分をある程度含んでいるはずの水槽の水を掬って使いました。
(2)設置したあと、毎朝一番左のボトルを一番右に移動させる、という作業を繰り返しました。日光の当たり方を均一にするためです。
(3) 15日後の様子です。↓
←設置後10日ぐらいはあまり大きな変化がありませんでした。が、そのあと徐々に変化が表れてきました。 この時点で、どのボトルでもマツモの下葉が枯れてその枯葉が水面に浮かんでいます。
詳しく見ると、4番のボトルでは茎の下部までちぎれてマツモの草体が浮いてしまってますが、1番と2番のボトルでは枯葉が少し浮いてきただけで大きな変化はありません。
(4)次は50日後の様子です。ここまで、それぞれのボトルに同量の足し水をしたのみで餌や肥料を与えずに維持してきました。
設置後50日でだいたいの結果が出たのでこの比較を終わりにしました。(本当の理由は毎日のボトルの位置替えが面倒臭くなったから) ←1番のボトルです。
魚もエビも元気です。しかしマツモは状態がひどく枯れた葉が水面に散乱しています。草体も全体が真っ黒です。
ボトルの中の藻は他のボトルのものと比べると茶色がかっています。2番のボトルです。魚・エビともに元気です。
マツモは1番のボトルほどひどくはなく、水面に枯葉も浮いていませんが、生長が悪くて小さいままです。→←3番のボトル。
このボトルも魚・エビは元気一杯です。ケンミジンコが他のボトルよりもたくさん確認できたので、こういったものを餌にして元気でいるのかもしれません。
マツモは5本のボトルの中で最も生長が良く美しい葉をつけています。ただし、このボトルは水の透明度が低く、いわゆるグリーンウォーターになっています。4番のボトルです。
このボトルでは、魚は元気なままですがエビが途中で死んでしまいました。マツモの生長も悪く、真っ黒です。ただし、水の透明度はこのボトルが一番高かったです。←5番のボトルです。
エビも魚も元気溌剌です。マツモの生長もなかなか良いようです。
画像ではわかりにくいですが水の透明度も高いです。あと、このボトルではなぜかコケの緑色が濃くなっていました以上のように「水・エビ・魚・マツモ」の4要素だけで比較してみても、やはり立ち上がり方には大きな違いが出ました。特にマツモの生長の仕方と水の透明度に大きな差があるのは画像でも分かっていただけると思います。
4.水槽の立ち上がり方の違い その3
次の例も、影響を与えそうな要素を減らした例です。
この水槽に入れたのは、水・モス・クリプト・スネール、の4つだけです。間接光のあたる場所に置き、足し水をするたびに2つの位置を入れ替えるようにして維持しました。
<100日後の結果>
== 左側の水槽 ==
・南米ウィーローモスは、普通のウィローモスのような姿に育ちプラスチック製の底面に貼りつき始めていました。
・クリプトコリネ ベケッティーは設置後30日ぐらいで溶け始め、そのあと完全に消失してしまいました。
・水は50日が経過したあたりから徐々にグリーンウォーターに変化。
・底面にモロモロの浮泥が見られますが量はあまり多くありません。また、スネールの殻が底面に数多く見られました。
== 右側の水槽 ==
・クリプトは順調に生長して投入時の大きさの3倍ぐらいにまで育ちました。
・モスの大部分は底面に活着せずクリプトの根と一体化しています。
・水の透明度は高く濁りはまったく見られません。
・浮泥が多く沈殿しています。またスネールの死骸はまったく見当たりませんでした。
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では、このような不確実性の例をさらにあと2つ見てみましょう。
「アクアリウムの不確実性3」へ続く
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