■GOOD AQUA■

割り箸拡散器


03.01.08


 
 CO2を水中に溶け込ませる器具は色々ありますが、どれもけっこう高価です。そこでエアストーンなどの安いもので代替させようとすると、たいていは気泡が大き過ぎ、こんどはCO2のロスが多くなってしまうのがふつうです。
 「安くて作れる」&「気泡が小さい」の両方を満たす拡散器はなかなか見つからないですよね。そこでお勧めなのが、割り箸で作る拡散器です。

 但し、この「割り箸拡散器」は耐久性に問題があります。
 私自身は前から個人的に使っているのですが、この「耐久性」という面で大きな問題があるため、実は、紹介するのにちょっとためらいがあります。
 ずっと水に浸けたままだと、短いときは2週間(!)、長くても3ヶ月ぐらい経つと気泡が大きくなってきます。水に浸かっているために木が腐植してくるのです。
 この点、竹の箸を使うともっと長くもつのですが、竹の箸はそのほとんどに何か薬品(おそらく防カビ剤)が使われているようで、エビが死ぬことがあります。ですから、竹の箸は避けた方が良いです。で、他にもスポンジや固めた綿などいろいろ試してみたのですが、結局うまくいくのは、割り箸やバルサ板ぐらいでした。

 しかし、本格的な拡散器としてではなく、初めから「そんなものだ」と割り切って使える場面でなら、逆に便利なものだとも思います。
 例えば、こんな使い方ならお勧めです。
・ 「夏の間だけ」などと最初から短期間でリセットすることが分かっている水槽を設置する場合
・ 1200円の『CO2ストーン』を購入するのさえ財布にこたえる学生さん
※ 学生時代は、お金がなくても時間はありますもんね。腐植し始めたら次々作って交換しましょう。私も学生時代はもっぱらこの「割り箸拡散器」でした。と言っても、当時はCO2を添加すること自体がポピュラーでなくて拡散器なんて存在しなかったですから、「こうするしか仕方なかった」というのが真相ですが。(>_<)
・ セラミック製のものを漂白剤などで洗浄している間のリリーフとして

<用意するもの>

1.木の割り箸1本
2.エアチューブ(できれば中がよく見える透明のもの)
3.エアチューブ継ぎ手
4.カッターナイフ

 
<作り方>

 まず割り箸の角を丸くします。割り箸の繊維の目を詰めて気泡を小さくするためにも、角をギュ〜っと押しつぶすのがベストです。机の上に割り箸を置き、下敷きをかぶせ、上から強く押さえながら割り箸を転がすとうまくいきます。
 今回は下敷きが無かったので、画像のようにカッターで軽く削って角を落としました。「丸」にしてはいけません。ちょっと角を落とせば十分です。
 次に適当な長さのエアチューブを用意します。
 チューブはできるだけ透明なものが良いです。割り箸の入り具合を確かめたいとき、あるいはセットしたあとの腐蝕具合を見たいときに透明だと助かります。
 適当な長さに切ったエアチューブに割り箸を突っ込みます。突っ込み過ぎてエアチューブが破れる一歩手前まで、ぐりぐりギュ〜っと突っ込んでおきましょう。割り箸はできるだけ長く突っ込むのが良いです。長いとそれだけチューブと接する面積が大きくなって隙間からガスが漏れにくくなるからです。
 チューブの先端の位置で割り箸を切り落とします。このとき、カッターナイフの刃は軽く当て、割り箸をクルクル回転させながら切るのがポイントです。カッターの刃があたっている部分は繊維の穴が完全につぶれてしまいそこからは気泡が出にくくなるので、刃を割り箸の一方からだけ切っていくと、あとで気泡の出かたに問題が起きやすいのです。
 刃を割り箸の周りにある程度食い込ませたら、あとは折り取ります。そうすると、右の画像のように、割り箸の中心に繊維の断面が、つぶれずギザギザに残るはずです。この部分が重要です。
 ただ、今回は突っ込んだ割り箸の部分が短か過ぎました(失敗!)。ほんとうなら、割り箸をチューブの中にこの3倍の長さぐらい入れておくべきです。その方が箸の横からガスが漏れにくいのです。
 次に、エアチューブの反対側の端にチューブの継ぎ手をつけます。継ぎ手はこんな形のものです。
 これで完成です。

 しかしどう見ても、割り箸、短過ぎ・・・(-_-メ)
 同じ失敗をしませんようご注意を。
 

 

 使用中の様子(これは上のとは別のもの)です。箸がチューブの奥まで入っているのが分かると思います。このぐらいの長さが入っていないといけません。
 先端にかじりついているミナミヌマエビと比べると、気泡の細かさが分かると思います。エアストーンを使ったときよりは確実に細かいです。また、汚れがつき始めた「パレングラス」などと比べてもこちらの方が細かい感じです。
 但し前述のように、割り箸が腐植するにつれ、気泡はだんだんと大きくなってきます。
※ 画像は、数年前にこの「割り箸拡散器」を作ったときに撮ったものです。カメラが古く、シャッタースピードが遅かったため(調整できないカメラ)、気泡が実物よりも大きく写っています。実際はもう少し小さいです。

※ 書き忘れました。
 この「割り箸拡散器」は、素材が木だけに、水圧の影響を強く受けます。気泡の泡の大きさが思うようにならないときは、取り付け位置を水槽の上下に動かしてみて下さい。それだけで改善されることがよくあります。
 あと、市販の拡散器でよくある放散時の「チチチチ・・」という音は、この拡散器でもすることがあります。ただ市販のものより、しない確率が高いと思います。

 



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