■GOOD AQUA■

シャワーパイプ拡散器


04.03.02



 

 フィルターのシャワーパイプの途中にチューブで二酸化炭素を送り込み(画像の右上)、二酸化炭素を水流に乗せて溶かす方法です。我が家ではこの方法を一番多く使っています。本当はあまり公開したくない部分ですが、ま、「出血大サービス」ということで。

 この拡散器は、シャワーパイプの向きに制限が出てきます。また自分で作るのが少し面倒かもしれません。しかし、安く作れ、かつメンテナンスがほぼ要らないのは魅力的なはずです。また、この方式だと設置しても水槽の中で目立ちません。作る手間も最初の1回だけでいったん作れば半永久に使い続けられます。したがって使い始めたら手放せなくなるはずです。

 このように、シャワーパイプとエルボーの間にあるホース部分にチューブを挿し込み二酸化炭素を注入します。

 エルボーパイプを使わずホースを曲げて使っている場合も同じです。シャワーパイプの直前の位置にチューブを挿し込むように取り付けます。

 パイプ内に放出される二酸化炭素の一部はチューブの出口で水流によって溶解され、一部はパイプ内で激しく攪拌されることでさらに水に溶け込みます。また一部は小さな気泡のままシャワーパイプの穴から水槽の中に出ていきますがシャワーパイプの穴を水槽の下方向きにセットしておくことでその気泡が水槽の中でくるくる回転し、添加した二酸化炭素のほぼ全部が溶解します。水槽の横から見ると次の図のような動きになります。

 

<作り方>  
まず、普通のチューブジョイントとL型のチューブジョイントを短いエアチューブでつなげます。→
L型のジョイントが入手できない場合は耐圧チューブを火であぶって曲げましょう。代用できます。
チューブジョイントから出る気泡が微細になるように、割箸の先を削ってジョインの中に詰めます。割箸はあまり滑らかに削らず、詰めた時に隙間ができるようにします。隙間ができないとチューブ内の圧力が高くなり過ぎてしまうからです。
削って細くした割箸をチューブジョイントに突っ込み余分な部分を切り落とします。
こんな風に隙間ができていたら成功です。隙間が無いことでチューブ内の圧力が上がり過ぎてしまうとバブルカウンターや逆止弁の前後からガスが漏れたり、出てくる気泡が間欠的になったりいろいろ不都合が出ます。
次にジョイントを挿し込む部分を作ります。ポイントは「穴をできるだけ小さくすること」です。ここではドリルで穴を空けていますが、千枚通しの方がうまくいきます。千枚通しで空けた狭い穴にジョイントを無理矢理突っ込めば、ジョイントがガタついたりせず良い感じで固定されます。
ジョイントをぐいぐいと押し込んだところです。
シャワーパイプとつなげるとこんな感じになります。

あとはL字ジョイントに二酸化炭素のチューブをつなげて水槽に取り付けるだけですが、 シャワーパイプの吹き出し穴は必ず下向き&やや背面方向に向けておきます。そうすればシャワーパイプから出てくる細かい気泡が水流で下方向に押し下げられくるくる回り無駄なく溶かし込まれます。

このようにチューブの挿入部が背面側にくるように取りつければ水槽の正面から見えにくいのでレイアウトの印象を乱しません。
ここで注意しないといけないことがあります。取りつけたチューブには当然のことながらフィルターの水流の圧力がかかりチューブ内に水が浸入しやすくなります。したがって、スピコンとバブカンの間の逆止弁に加えて、もう一つこの位置に逆止弁を取りつけておかないといけません。
水槽に取り付けて正面から見るとこのようになっています。エアチューブを緑色にしたために少し目立ちますが、黒いエアチューブを使えば大丈夫です。

 このようにフィルターの排水側に二酸化炭素を混ぜ込ませる方法はけっこうあちこちで紹介されています。しかし実際にやってみると分かりますが、二酸化炭素が溶け切らずムダになる部分が多いのです。そこでこの「シャワーパイプ拡散器」では、ジョイントに詰め物を入れて添加の気泡自体を細かくすることと、シャワーパイプの向きを下向けにセットすることで溶解率を高めてあります。
 また、パイプ部分にジョイント挿し込み用の穴を空けるのは穴の大きさの調整とジョイントの固定がめんどうですし、ホースの途中に点滴針を刺す方法は長期間使っているとホースの硬化で水漏れが起きたりします。そこで、「シャワーパイプ拡散器」では添加点をシャワーパイプをつなぐホースにすることでこれらの問題をクリアしてあります。
 その他、給水側で添加した時に起きるフィルターのエア噛み現象やそれに伴うフィルターの寿命の低下の心配もありませんし、メインテナンスの手間もかかりません。詰め物にした割箸はだんだん劣化してきますがそれで少しぐらい気泡が大きくなってもシャワーパイプ内とシャワーパイプ下方での溶解率はほとんど低下しません。ガラス製のもののように付着したコケを頻繁に掃除する必要はありませんし、レイアウトの中で邪魔になったりもしません。
 一方、「シャワーパイプ拡散器」のデメリットは、作るのに手間がかかることと、添加点を目視で確認しにくいこと、そしてシャワーパイプの吹き出し方向が限定されるという3点です。
 しかし、何と言ってもこれだけ溶解率の高い拡散器をこれだけ安く作れるメリットはデメリットを補ってまだ余りあると思います。我が家ではガラス製やプラスチック製のものはもちろん自作のものまで含めて様々な拡散器・添加器を使っています。そしてそのいくつかはこのサイトでも紹介していますが、現在のところ私の“一番のおすすめ”はこの「シャワーパイプ拡散器」です。市販の拡散器を買う気が無くなってしまうはずです。ぜひお試しあれ。

 



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